So-net無料ブログ作成

自由貿易は私たちを幸せにするのか? [読書メモ2017]

『自由貿易は私たちを幸せにするのか?』 上村雅彦ほか 2017/02
自由貿易は私たちを幸せにするのか?
著者は横浜市立大学教授。 国際貿易協定に反対する意見をまとめた本。

 世界には無数の自由貿易が網の目のように張り巡らされ、交渉中も含めれば300を超える。 WTOが停滞する中で到来したのがメガ経済連携協定(FTA)時代だ。
 ISDS(投資家・国家間の紛争処理)の起源は、1950年代のアジア・アフリカ独立の時代にまで遡る。独立を果たした国々が外国人財産を国有化するケースが増えたため導入されるようになった。その後、主に先進国の投資家や企業が投資先の途上国での予期せぬ制度変更や規制変更、土地の接収などへ対応するセーフティネットとして使われてきた。
 「自由貿易」と言われれば、国家間の貿易のように聞こえる。だが実際には世界貿易の60%は多国籍企業内部で生み出されている。
 TPPが目指したものは、(多国籍企業が)自社の製品を最大の利益を確保できる条件のもと、最速で消費者まで配達するシステムの完成である。
 当初、TPPが「貿易」問題だと定義づけられていたために、多国籍企業の経営戦略上の意味が理解されなかった。
 結局、メガ経済連携協定で確実に利益が生まれるのは、多国籍企業だけだ。
 アメリカでは「TPPが妥結すれば、日本の企業から(ISDS条項で)アメリカ政府が訴えられるリスクが格段に増す」との主張も非常に多く、TPP反対の大きな理由であった。
 メガ経済連携協定は、すべてこの半年で停滞あるいは頓挫に近い状態となった。それは人びとの意思を顕著に表している。その成果が一部の富裕層にのみ還元される社会に対して、多くの人々が「もうたくさんだ」と言っているのだ。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0