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勝ちきる頭脳 [読書メモ2017]

『勝ちきる頭脳』 井山裕太 2017/02

勝ちきる頭脳
著者はプロ囲碁棋士。 勝負に対する姿勢や最近の囲碁界の様子などについての本。

 七冠を崩された名人戦(2016年)の第7局。この最終決戦での僕の着手・石運びが、棋士や関係者、そしてファンの間でかなりの物議を醸した(不評だった)そうです。
 20手目まで進んだところで、僕にはふと「ある手」が浮かんだのです。そこまでの手順は世界的に研究が進んでいて、その後の進行もほぼ結論が出ています。でも僕は、その「ふと浮かんだ手」にも魅力を感じました。というより打ちたくなってしまったのです。 そして「打ちたい手を打つ」という行為は、僕が自分に課している信念で、これを棋士人生の中で貫いてきたからこそ、今の僕があるのです。
 2008年、名人戦の最終局で敗れて痛切に思い知らされたことは、張栩さんと自分の間に歴然と存在する「大きな差」でした。 僕が自分を信じきれなかったのに対し、張栩さんは絶対的に自分を信じきっているという点でした。 そこで僕が自分に対して誓い、実行したのは「たとえ結果が悪くなったとしても、自分が納得できる手を打つことを徹底する」ということでした。
 そうしたうちに見えてきたものがありました。それは「リスクがあっても、最善と思う手を選択しているほうが、勝ちきれることが多い」という事実です。
 形勢不利の際には、もう一つ大事なことがあり、それは「相手に(次の)決め手を与えない」ということです。 形勢が悪いことを素直に受け入れ、嫌な状況であっても辛抱することが大切です。
 長考の時は、手を読むことに時間を費やしているのではなくて、出来上がった多くの図(数手先の配置)の中からどれを採用しようかと「迷って」いることがほとんど。
 一流と言われているプロ棋士でも、ミスはします。 ミスを認めて「どういう状況であっても、なるべく同じ心理状態で見る」ことが大切です。
 棋士ならば誰もが、自分の打った碁を並べ直し、反省を行っているはずです。この復習なくして、成長はありえません。
 囲碁で必要なのは、学業的な能力ではないのです。求められているのは、ある局面を見て「あ、以前に似た局面があったな」などと察知する能力。
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