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日本人の「食欲」は世界をどう変えた? [読書メモ2015]

『日本人の「食欲」は世界をどう変えた?』 鈴木裕明 2011/06

日本人の「食欲」は世界をどう変えた? (メディアファクトリー新書)
著者は経済アナリスト。 日本人の「食」と世界との関係を解説する本。

 日本の食料自給率はカロリーベースで40%、生産額ベースで70%(09年)。世界で一般的なのは重量ベース。政府がカロリーベースにこだわるのは、食糧安全保障の観点から。食料自給率の低下は、日本人の食の多様化に起因している。
 無理を重ねて自給率を上げても、しわ寄せは財政負担や国際関係に及ぶ。持続性も望めない。日本が不作に見舞われれば、結局輸入に頼らざるを得ない。しっかりとした輸入ソースと資金を確保するのが第一。
 イベリコ豚は日本の注目がきっかけで世界的な評価を確立し、生産地の畜産業の発展に貢献した。
 マツタケは、そもそも現地(外国)ではほとんど価値がないキノコだったが、日本への輸出によって高級食材に昇格した。実際に「マツタケ御殿」が建った地域がある。
 日本のJICA主導で、チリにサケ養殖業が根付いた。現在では世界トップシェアの産業。
 資源枯渇が懸念されるクロマグロ、ミナミマグロ、メバチの3種類は、日本の消費量が突出。
 日本と同様にアメリカやヨーロッパにも休耕地がある。全世界で350万平方km。世界の休耕地は日本の国土の9倍に相当する。 もし、こうした休耕地まで含めてフル生産をおこなったら、当然農作物は大幅に余る。いや、休耕地を使うまでもなく、欧米諸国では農作物は余剰傾向なのである。
 フランスはこの半世紀、農家戸数を減らすと同時に一戸あたりの農地規模を拡大し、効率化を進めてきた。穀物農家一戸の平均農地は1966年の7.6haから2007年に31haと約4倍になった。ドイツも同じく、4.5haから29haと約6倍に広がった。
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11月第4週に読んだ本(まとめ) [既読一覧]

『超・技術革命で世界最強となる日本』 三橋貴明 2015/05
『最新版 なんでこれが交通違反なの!?』 今井亮一 2010/07
『電気システムとしての人体』 久保田博南 2001/08
『日本人はどこまで減るか』 古田隆彦 2008/05
『憲法九条を世界遺産に』 太田光・中沢新一 2006/08
『労働時間制度改革』 大内伸哉 2015/02

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超・技術革命で世界最強となる日本 [読書メモ2015]

『超・技術革命で世界最強となる日本』 三橋貴明 2015/05

超・技術革命で世界最強となる日本
著者は経済評論家。 技術開発投資が日本の将来を決定するという本。

 マキアベリは「他国が強くなるのを助ける国は自滅する」という名言を残したが、バブル崩壊後の日本の中国に対する技術提供は、まさにこれなのだ。
 技術とは他所から買ってくれば済むという話にはならない。短期的にはそうかもしれないが、少なくとも中長期的には無理だ。真の意味における技術力は、現場の生産活動の蓄積によってしか向上しない。
 日本は外国に兵器を売り込むべきだ。「民間人虐殺などをした場合、技術や部品の提供を停止する」と、堂々と内政干渉すればいい。日本以外の好戦的な国が武器を売りつけていくほうが、間違いなく世界の平和が揺らぐことになる。
 人類が歴史的に最も日常的に使用してきた「技術」は、おカネ。おカネの正体は、債務と債権の組み合わせを記録する技術。おカネを構成する3つの基本要素は、①価値(貨幣)単位 ②会計(記録)システム ③譲渡性。
 この世には1種類だけ「誰の債務でもない債権」が存在する。日本の場合は、政府が発行する「硬貨」。
 経済力とは「国民経済の供給能力」。経済力のある国とは「おカネがある国」を必ずしも意味しない。「国民の需要を満たすことが可能な供給能力」が強い国こそが「経済力がある国」。供給能力はモノ・ヒト・技術の3つのリソースから成り立つ。
 現在の日本は生産年齢人口が減少している。今後は総需要が供給能力を上回るインフレギャップの環境になっていく。生産性向上でインフレギャップを埋めることで、2度目の高度成長期に突入する可能性すらある。
 政府はJR東海に無利子融資をしてでも、東京-名古屋-大阪間のリニア同時開業を目指すべき。 
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最新版 なんでこれが交通違反なの!? [読書メモ2015]

『最新版 なんでこれが交通違反なの!?』 今井亮一 2010/07

最新版 なんでこれが交通違反なの!?
著者は交通ジャーナリスト。 最新の取り締り事情と警察の思惑を解説する本。

 オービスの取り締まり件数は2000年の18万件をピークに2008年には9万件まで落ち込んでいる。若者のクルマ離れがすすみ、「スピードを出すのが格好いい」という”文化”が廃れてきたのだろう。
 道路標識が見えにくかった場合は、違反にならない。
 免許証の提示は、かつては必ずしも義務ではなかった。ところが2007年に変更され、拒否すると「免許証提示義務違反」で逮捕できるようになった。
 スピード違反の取り締まり件数を超過速度別に見ると、15km/h未満は0.002%、15~20km/h約30%、20~25km/h約37%、25~30km/h約18%。
 「オービス」は商品名であるが、通常自動速度取り締まり機は「オービス」と呼ばれる。
 オービスの設定速度は、現在のところ赤キップの違反(30km/h超)。
 オービスの光は赤くて強い。そうでなければ勘違いか、Nシステム(自動車ナンバー自動読み取り)、Tシステム(旅行時間計測)。
 駐車違反の放置違反金は全額、ダイレクトに都道府県の収入になる。会計予算に計上されている。
 路上放置などで「保管場所法違反」となった場合は、反則金ではなく罰金刑。前科になる。
 違反キップへのサインは義務ではなく任意。ただし、してもしなくても違反処理の手続きは進む。
 いったんつけた(違反)点数の末梢は可能。さまざまなケースで抹消上申が行われている。
 点数は法律上は不利益処分ではないので、抹消を求める裁判は起こせない。
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電気システムとしての人体 [読書メモ2015]

『電気システムとしての人体』 久保田博南(ひろなみ) 2001/08

電気システムとしての人体―からだから電気がでる不思議 (ブルーバックス)
著者は医療機器開発者、K&Kジャパン代取。 人体で起こる電気的反応を解説する本。

 人体で心臓が動いて血液を循環させていることを発見し、論文にまとめて発表したのはW・ハーヴィーという学者で、1628年。この時代、17世紀前半までは、誰の常識の中にも心臓の働きや血液循環の仕組みなどまったくなかった。
 心臓から電気が発生していると発見したのは、アイントーフェン、1903年。どうも、心臓の筋肉を収縮させているのは、この電気に違いないということになり、これを記録したものをelectrocardiogram(心電図)と命名した。 人体から発生する電気を始めて確認した。この功績で1924年にノーベル賞が与えられた。
 心筋細胞を例に、その細胞の活動状況を見る。細胞の内外は電解液とよばれる液体で満たされている。イオン濃度の大きな差が、細胞膜の内外に電位差となって現れる。外から何らかの刺激が加わると、細胞膜の透過特性が著しく変化し、ナトリウムイオン(Na+)が突発的に内部に向かって流れる。これが脱分極。このとき細胞内の電位は100mVほど上昇する。
 心臓には洞結節とよばれるペースメーカーとしての働きをする場所がある。成人では、1秒に1回くらいの割合で脱分極という基本動作が繰り返される。
 動物の電気現象の最初の研究として有名なのが、ガルヴァーニによる、カエルの脚の筋肉の実験。1780年ごろ。 19世紀終わりごろ、イギリスのケイトンがウサギやサルの脳から電気が出ていることを発見した。 ベルガーによる人間の脳波の発見は、さらに時代が下がった1924年。 
 心臓の電気の発生原理はよくわかっているが、それに比較して脳波のそれは完全に解明されていない。脳波はインパルスの集合と考えるのが当たり前だ。ところがインパルスは1ミリ秒という短時間のもので、これらが重なり合っても脳波の周波数(数Hz~数十Hz)とは大きくかけ離れている。
 英語のelectroencephalogramを「脳波」と訳したのは誤訳ではないかという説がある。「心電図」「筋電図」という用語との比較から「脳電図」がふさわしい。中国では「脳電図」と訳されている。と思っていたら「brain waveという語があります」とのメールを頂いた。
 筋肉を動かすと発生する電気は、力を入れれば入れるほど大きな電圧が発生する。電気ナマズがやっていることと原理的には同じ。
 眼球を動かすと発生する電位を記録したものを眼電図(EOG)という。 胃での消化運動のための収縮も、電気的な信号によりコントロールされている。20秒に1回くらいの信号が出されている。胃電図(EGG)とよぶ。EGGの発生場所は胃の上部1/3くらいのところらしい。
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日本人はどこまで減るか [読書メモ2015]

『日本人はどこまで減るか』 古田隆彦 2008/05

日本人はどこまで減るか―人口減少社会のパラダイム・シフト (幻冬舎新書)
著者は現代社会研究所所長。 「人口容量」という仮説で今後の人口変化を予測する本。

 合計特殊出生率が上がったとしても、出産適齢期の女性人口が減れば出生数は増えない。なので「出生率を上げてもベビーの数は減少する」。
 国立社会保障・人口問題研究所の日本の人口予測では2042~53年の間に1億人を割り、21世紀末には3700~6400万人まで落ちていく。
 人口が減るのは「少産・多死化」のためであり、「少子・高齢化」のためではない。子どもと老人の定義は40年も50年も前のもので、現代社会に見合っていない。高齢の定義は75歳以上に上げるべき。要するに、今進みつつあるのは「高齢化」ではなく「中年の上方拡大」。
 個体数の上限のことを、生物学や生態学では「キャリング・キャパシティー」とよぶ。一定の環境下に生息する個体数は必ず飽和し、やがて減少する。これを人間に当てはめたのが「人口容量」。人間だけが人口容量に介入し、拡大することができる。
 現在の世界人口は5番目の「工業現波(1500~2150年)」の中。80~90億人程度で限界を迎える。
 人口を維持しようとする時、生きている人をできるだけ失わないことが真っ先に必要なはず。ところが昨今、政府やマスコミのとりあげる人工回復対策といえば、ほとんどが出生数回復対策。
 人口容量説から見ると、日本の人口は2080年代に6700万人で底を打ち、以後は徐々に増加して、2150年ころに1億人を回復する可能性がある。 これを実現するには、1億2800万人(つまり現在)の人口容量を今後も維持すること。
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憲法九条を世界遺産に [読書メモ2015]

『憲法九条を世界遺産に』 太田光・中沢新一 2006/08

憲法九条を世界遺産に (集英社新書)
著者太田は「爆笑問題」、中沢は多摩美術大学教授。 憲法九条についての2人の対談をまとめた本。

 太田:命の大切さを語っていた(宮沢)賢治が、なぜ田中智学や石原莞爾のような日蓮主義者たちの思想に傾倒していったのか、そこがわからない。
 中沢:やっぱり田中智学という人は魅力的に見えたんじゃないかと思うんです。 神道と日蓮宗を結合して、それを天皇を中心とする日本の国体という考えでまとめてみせた。西欧的な見方によるんじゃなくて、日本人のやり方で世界史をまるごと理解してみせたうえで、危機的な状況の新しい日本の方向性を示そうとした。
 田中智学の思想が、日本人が感じ続けていた違和感に、ぴったりの表現を与えてしまった。だから日本人の多くが「あっ、これだ」と飛びついてしまった。 その感情に突き動かされて戦争に突っ込んだ。 戦後になって尋常ならざる憲法を日本人が「これこそ求めていたものだ」と熱狂的に受け入れた思考と感覚が、ひとつながりのもののように見える。
 太田:シベリアの電化というのは、何ですか?
 中沢:レーニンは少し変なところがあるんですが、ある科学者の案を受け入れて、シベリアの電化を考えた。電線の周りに発生する電磁波で、気流を変え、気候を変え、温暖化させていこうという案。
 太田:憲法九条を持ち続けている日本というのは、ドン・キホーテのように滑稽で、しっちゃかめっちゃかに見えるかもしれないけど、やっぱり面白い。正気を失っているときのほうが元気だし、エネルギーがあるし、絶対面白い世界だと思う。
 中沢:そのドン・キホーテのそばに、「旦那、旦那が言っていることは常軌を逸してますよ」と言い続けるサンチョ・パンサがいることが、また大事なこと。ドン・キホーテ憲法とサンチョ・パンサ現実政治の2人が二人三脚をしてきたがゆえに、日本は近代国家の珍品として生き抜いてこられた。だからこの憲法は、まさに世界遺産なのだと。
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労働時間制度改革 [読書メモ2015]

『労働時間制度改革』 大内伸哉 2015/02

労働時間制度改革
著者は神戸大学大学院法学研究科教授。 ホワイトカラー・エグゼンプションをめぐる議論に必要な知識や諸外国の例を紹介する本。

 「残業代ゼロ」だからホワイトカラー・エグゼンプションが望ましくないという主張は、根本的に間違っているのではないか。むしろ、日本の労働者がもっと効率的に働くためには、「残業代」がないほうがよいのではないか。
 日本の労働生産性は、先進国の中でもかなり低く20位である。とくに非製造業に問題がある。ここからは、自分で労働時間を操作しやすいホワイトカラーにおいて、非効率な長時間労働が起きている実態がみてとれる。割増賃金制度がそうした事態の出現に大きく寄与してしまっている可能性は十分にある。
 アメリカの労働時間規制は極めてシンプル。週40時間を超えた労働には50%の割増賃金。時間に上限はない。
 EUの労働時間規制の骨格は、休息を中心とした規制。労働時間は1週単位で上限48時間と厳格に規制されている。反面、割増賃金規制がない。
 どうして日本人は年休を半分以下しか取得してこなかったのであろうか。理由の1つは、年休を病気などに備えておくため。もう1つは、業務量が多い場合に取得が難しいということ。ここには職務範囲が限定されていない日本の正社員特有の事情も関係している。自分の欠勤が、他人の業務量増加となれば休みにくくなる。年休は正社員よりも非正社員の方が取りやすいという話もある。
 EUの年休に関する規定では、最低4週間の年次有給休暇で、連続取得が原則。多くは雇用主に年休時期の決定権がある。 労働者に時季指定権がある日本のシステムは、理想的すぎて現実的でなかった。日本の年休取得率が低い最も重要な原因は、この年休の取得方法にある。
 日本社会の真の問題は、ホワイトカラー・エグゼンプションに適した創造性が高く、高い付加価値を生み出す労働者が少ないことにある。
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11月第3週に読んだ本(まとめ) [既読一覧]

『皮膚は考える』 傳田光洋 2005/11
『マーケティングに使える「家計調査」』 吉本佳生 2015/07
『これしかないよ日本の人事』 宋文洲 2006/01
『良い値決め 悪い値決め』 田中靖浩 2015/07
『自動運転』 鶴原吉郎 2014/10
『編集者になろう!』 大沢昇 2014/06

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皮膚は考える [読書メモ2015]

『皮膚は考える』 傳田光洋 2005/11

皮膚は考える (岩波科学ライブラリー 112)
著者は資生堂ライフサイエンス研究センター主任研究員。 皮膚は臓器であるとする皮膚科学を解説する本。

 皮膚の面積は1.6平方m、たたみ1畳分の大きさ。重さで評価すると約3kg。人間にとって最大の「臓器」。
 表皮は裏側(体内)を基準にすると100mVのマイナスの電圧を持っている。その電位はヒトの感情や気分によって変動する。 ウソ発見器は、ウソをつくと冷や汗が出るので皮膚抵抗値が変わるのだと解釈されてきた。しかし、汗腺のない唇などでもやはり電位差は存在する。皮膚そのものが電池なのである。
 個々の細胞はイオンポンプで数十mVの電位差を作っている。表皮が電気を起こすのにも、このイオンポンプが関係している。皮膚切片の培養系にストレスホルモンを入れると、電位が変化する。つまり表面電位は感情や気分で変化するのだ。
 皮膚は角層、表皮、真皮から成る。
 皮膚表面にマイナスの電場を負荷すると、破壊された角層バリアの回復が早くなる。プラスの電場では回復が遅れる。 皮膚に塗ってバリア回復効果が高かった硫酸バリウムほど、マイナス側に大きなゼータ電位を示していた。ゼータ電位とは、溶液中で紛体がまわりに引き寄せるイオンで生まれる電位。
 臓器は他人から移植することがある。ところが皮膚は他人のものはまず移植できない。皮膚には免疫系の仕組みがある。それを担うのが、表皮の中にあるランゲルハンス細胞。
 表皮ケラチノサイトはホルモンや神経伝達物質を合成する。ドーパミンやβエンドルフィンなどを合成している。
 皮膚は脳と同じ受容体を持つ。脳で学習や記憶を担っている受容体が表皮にもあってバリア機能の維持に寄与している。
 もとはと言えば受精卵からの発生段階で、皮膚表皮と中枢神経系が同じ外胚葉由来の器官であることを考えればなるほどと言えることかもしれない。
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