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職場の問題地図 [読書メモ2016]

『職場の問題地図』 沢渡あまね 2016/10

職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方
著者は業務改善・オフィスコミュニケーション改善士。 非効率な仕事のやり方や長時間労働を改善する方法を教える本。

 「仕事をする」とは、「インプットを成果物に変える」取り組み。仕事は次の5つの要素で成り立つ: ①目的 ②インプット ③成果物 ④関係者 ⑤効率。
 5つの要素チェックは、仕事の脱属人化にも効果がある。在宅勤務など、新しい働き方にも対応する。
 報連相ができていない原因は、①部下の伝えるスキルが低い ②上司の受け止めるスキルが低い ③報連相する場やルールがない。
 「無駄な会議」と「会議の無駄」を減らす4つの対策: ①会議の目的とアウトプットを確認する ②出席者選びを慎重に ③議事録をとりやすい発言をする ④3本締め「決定事項」「宿題事項」「次回予告」。
 定例会議は月金を避ける。有給を取りやすくするため。
 仕事の属人化はなくならない。うまくつき合う方法を考える。仕事の「あたりまえ部分」は属人化してはいけない。「付加価値部分」は属人化してもOK。
 嫌な仕事ほどマニュアル化する。毎回考えなくて済むようになり、淡々と短時間でこなすことができるようになる。最終的に派遣さん(他人)にその仕事を渡すことができる。
 過剰サービスが起きる背景は、業務プロセスが曖昧であったり、属人化。自部署のミッションと役割をきちんと理解し、サービスレベルを設定する。 忘れてはならないのが、サービスレベルの測定。これを怠ると、設定したサービスレベルが守られているのかどうかがわからない。
 「だれが何をやっているのかわからない状態」が生み出す5つの病: ①新人が孤立する病 ②汗をかくことこそが美しい病(効率改善を考えない) ③タコツボ化・属人化 ④チーム編成・役割分担不全 ⑤助け合わない病。
 「定義できないものは管理できない。管理できないものは測定できない。測定できないものは改善できない」W・エドワーズ・デミング博士。
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10月第5週に読んだ本(まとめ) [既読一覧]

『下流老人と幸福老人』 三浦展 2016/03
『思考停止ワード44』 博報堂ブランドデザイン 2013/12
『気候変動で読む地球史』 水野一晴 2016/08
『「人工光合成」とは何か』 光化学協会(編) 2016/08
『リスクを食べる』 柄本三代子 2016/07
『トランプ現象とアメリカ保守思想』 会田弘継 2016/08

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下流老人と幸福老人 [読書メモ2016]

『下流老人と幸福老人』 三浦展(あつし) 2016/03

下流老人と幸福老人 資産がなくても幸福な人 資産があっても不幸な人 (光文社新書)
著者は社会研究や著述業など。 アンケート結果から幸福な老人の条件について考える本。

 本書の分析の基礎となるデータは三菱総研の「生活者市場予測システム」の「シニア調査」を使った。
 資産と幸福度には相関があるものの、資産が少ないことが決定的に不幸と結びついてはいない。
 シニアの年収は平均260万円。年収に関わらずあと100万円増やしたい人が4割。
 資産500万円未満が「下流老人」、資産2000万円以上が「上流老人」。
 公務員が正社員よりも資産階層が高い、要するに上流になりやすい。
 上流老人の資産形成の源泉は土地。
 40代(以降)での大病、大ケガが貧困化の一因。
 後悔していることは1位が「もっと貯金、資産を増やしておくべきだった」。以下「もっと遊んでおくべきだった」「もっと恋愛をしておけばよかった」「もっとプライベートを大事にすればよかった」。他には「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」「趣味が中途半端に終わった」「結婚が失敗だった」など。
 年収600万円を超えると幸福度は伸び悩む。年収が1000万円を超えると、幸福度も既婚率も下がる傾向にある。詳しい理由はわからないが、年収800万円が最も幸福なラインらしい。
 年収が低いシニアでも幸福である人は過半数。
 男性は子供や孫がいても必ずしも幸せではない。男性はガールフレンドがいることで格段に幸福度が上がる。男性の幸福度を上げるのは友人の多さではない。
 結論は、「下流幸福老人」は、自分だけでなく他人の幸福を考える人、「下流不幸老人」は、お金が欲しいと言い続ける人、「上流不幸老人」は、夫婦や子供との関係が悪い人。
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思考停止ワード44 [読書メモ2016]

『思考停止ワード44』 博報堂ブランドデザイン 2013/12

ビジネスを蝕む 思考停止ワード44 (アスキー新書)
著者は(株)博報堂内のコンサルティング専門チーム。 ビジネスの可能性を狭めてしまう思考停止ワードを解説する本。

 「顧客第一」:極論すれば、自社や株主の利益は二の次で、顧客を優先するということになる。もし掲げた理念と異なる姿勢が見え隠れすると、その企業を信用しなくなる。実態がともなっていなければ、当の顧客から評価されるものにならない。耳障りのいいこの手の言葉をうかつに掲げると、かえってあだとなる可能性がある。
 「効率」:効率化をはかるとなると、時間やコスト、業績といった数字をほぼ唯一の指標として、さまざまな判断をしよとしてしまう。ここに思考停止が起こる。数字などの目に見える指標や条件以外のものに配慮が行き届かなくなるのである。
 「多様性」:チームや企業が多様性を重視し、性別や年齢、国籍、価値観・・といったちがいに配慮した組織作りを目指したとしたら、その組織ならではの「らしさ」は失われる。まずは、「何のための多様性か」という目的を思い出すことだ。
 「自由に」:「なにについて考えるのか」がはっきりしないまま、「自由に」と思考を促されても、戸惑ってしまう。シバリがないせいで、かえって思考できなくなってしまうのだ。
 「イノベーション」:イノベーションが重要であることはいうまでもないが、あくまで手段にすぎないのである。そして、手段は目的とセットで語られなくてはいけない。
 「コンプライアンス」:オーバーコンプライアンスの問題が存在している。コンプライアンスを徹底しすぎるあまり、企業活動に支障をきたすケースが出てきている。
 「セオリー」:セオリーやノウハウは、たしかに物事のポイントやコツの部分をいい当てたものだが、水面から顔をのぞかせている氷山の一角にすぎない。盲信すると、思考が停止して的外れになる。
 「ただしい」:「ただしい」という言葉をつかうとき、どうしてもそれが唯一の正解であるかのように思いがちになる。
 「かんがえる」:努力や工夫を重ねても「かんがえきれない」部分はかならず出てくる。それだけに「徹底して考えれば」なんとかなる、と思い込んでいたとしたら、それは思考停止だ。
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気候変動で読む地球史 [読書メモ2016]

『気候変動で読む地球史』 水野一晴 2016/08

気候変動で読む地球史―限界地帯の自然と植生から (NHKブックス No.1240)
著者は京都大学大学院教授。 様々なタイムスパンで気候変動がどのように起きてきたかを解説する本。

 最終氷期の2万~1万2000年前、アフリカはケニア山やキリマンジャロの氷河が大きく前進。この時期、熱帯アフリカは冷涼化するとともに非常に乾燥化し、サハラ砂漠は拡大し、アフリカのほとんどから熱帯雨林が消滅した。 この最終氷期に熱帯雨林が避難した(最後まで残った)場所と、現在のゴリラ分布はぴたりと一致する。この時代、縮小したアフリカの熱帯雨林で、ゴリラは樹上から地上に降りて生活をはじめた。一方熱帯雨林の消失しなかった東南アジアでは、オランウータンが、いまだに樹上生活を続けている。
 南部アフリカに「カラハリ砂漠」とよばれる地位があるが、実際の植生はサバンナあるいはステップである。この地域が文字通り砂漠だった時代は、最終氷期の時代、いまから4万~3万年前。
 いまから1万年前に最終氷期が終わり、温暖化した「間氷期」の時代を迎える。赤道地帯では1万~9000年前ごろより密林が回復、9000~8000年前に最大に拡大した。西アフリカの低地林は、現在の限界よりも400km北上し、サハラの多くの場所が草地となった。地球が最も温暖だった8000~6000年前には、アフリカでは大量の雨が降り、砂漠が緑で覆われ、川が流れた。この時代のサハラ砂漠は「緑のサハラ」とよばれている。
 4500年前ごろになると、地球規模で冷涼化が始まり、アフリカの赤道以北では急速に乾燥化していった。3000年前にはその影響がさらに南方の湿潤地帯にも伝わり、森林の後退、サバンナ化が進行した。
 氷期と間氷期の繰り返しで、ヨーロッパではアルプス、ピレネー山脈が障害となり、多くの樹種が消滅した。そのため現在のヨーロッパの植生は非常に単調である。高等植物は2000種ほど。それに比べると、日本は5600種が存在する。日本列島は熱帯を除くと世界でもっとも植物が豊富なところの一つ。
 最終氷期の時期、日本も海面が120mくらい低下し、北海道は大陸とつながり多くの動物がやってきた。水深の深い津軽海峡はつながらなかった。したがって、北海道と本州の動物相は大きく異なることとなり、この境界をブラキストン線とよんでいる。
 著者は1997年、ケニア山の氷河でヒョウの遺骸を発見した。その年代は1000~900年ほど前と判明した。この時期は、ちょうどそれまでの世界的に温暖な時代から寒冷期に移行する時代に当たる。
 寒かった13世紀にはチンギス・ハーン率いる蒙古族がヨーロッパのほうまで遠征した。この時代、アジアからハンガリーあたりまで草原、すなわちステップの回廊が続いている。もし草原が途切れて森林地帯が存在していたら、ヨーロッパまで遠征することはできなかっただろう。
 寒冷期は11世紀から19世紀まで続いた。20世紀入って急速に温暖化が進行した。
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「人工光合成」とは何か [読書メモ2016]

『「人工光合成」とは何か』 光化学協会(編) 2016/08

夢の新エネルギー「人工光合成」とは何か 世界をリードする日本の科学技術 (ブルーバックス)
編者は光技術領域の専門家集団。 人工光合成の仕組みと研究状況を紹介する本。

 人工光合成は水や二酸化炭素を原料にして水素やその他の有用な化合物を製造する技術。取り組まれている研究には、比較的自然の光合成の模倣に近いものから、半導体を用いた技術まで幅広いアプローチがある。
 人類が現在使用しているエネルギー量を1とすると、光合成によるバイオマスエネルギー量は10。化石資源エネルギーは300、太陽光は10000。
 緑色植物の光合成のエネルギー変換効率は1%に満たないことが多い。対して太陽電池は市販の効率の良いもので15%以上。
 水素を作る方法として、今後本命となるのは、水分子を直接分解して水素を作ることであり、それは人工光合成による方法である。
 光合成は、光が原因で水から酸素を作る反応(明反応)と、光を必要とせずに二酸化炭素を炭水化物に変える反応(暗反応)の2つで構成されている。葉緑体は2重の膜に包まれており、細胞に取り込まれたシアノバクテリアが葉緑体になったという説が有力だ。
 人工光合成研究の引き金となった3つの研究:①1967年ホンダ-フジシマ効果の発見。水中の二酸化チタンの電極に紫外光を当てると、水が分解して酸素が発生、反対側の電極(白金)からは水素が発生した。 ②金属錯体による水の酸化の発見。金属錯体とは、金属イオンを囲むように分子やイオンが結合しているもの。クロロフィルも金属錯体。水分子から電子を奪って、酸素を発生させる。 ③金属錯体による二酸化炭素の光還元の発見。ビピリジン錯体と呼ばれる分子に紫外光を当てると、二酸化炭素が電子を受け取って還元され、一酸化炭素が生成される。
 半導体光触媒を使った水の光分解の4タイプ:①太陽電池により得られた電力で水を電気分解する ②太陽電池の表と裏に直接水素発生と酸素発生に適した触媒を貼り付けて一体化したデバイス ③水の中に粉末光触媒を分散させる ④半導体光電極を用いるタイプ。
 水素をそのまま運ぶには問題があるので、水素キャリアとして注目されているのが「有機ハイドライド」や「アンモニア」。
 太陽電池による太陽光から水素へのエネルギー変換効率は、最高で22.4%(2015年)。
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リスクを食べる [読書メモ2016]

『リスクを食べる』 柄本三代子 2016/07

リスクを食べる: 食と科学の社会学
著者は東京国際大学准教授。 食についてのリスクリテラシーやリスクコミュニケーションのあり方を考察する本。

 小泉政権のもと成立した医療制度改革関連法の一つが健康増進法。その第2条では次のように「国民の責務」を明記している。「国民は健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め(中略)健康の増進に務めなければならない」。つまり、憲法で「国民の権利」だったはずの健康が、「国民の責務」へと象徴的に変換されたのである。 健康が個人の責務になるということは、いわゆる自己責任化に等しい。
 各方面でいわゆるヘルスケアビジネス分野への期待は猛烈に高まっている。2013年に出た(出版された)『日本の成長エンジン健康・医療産業』のように、「責務・目的としての健康」は経済成長戦略のための一方策となった。
 食をめぐるリスクについて考えることは、無防備で無知で無力であり続けることに対する異議申し立てになるはずだ。自分が食べているものや身体について何も考えず流されていくことは、自由を放棄して丸ごと「何か」へ、結果として自発的に隷従することを意味している。
 しかしその一方で、現代社会では自ら考え選び取ることをせず、何らかの権威に白紙委任することが「市民」として正しい選択であるとされる状況もないだろうか。
 テクノフーズとは「食物に本来的に備わっている栄養学的価値以上の健康増進効果をもつことを狙って作り出された食品や飲料」のこと。 重要なのは機能性食品誕生とその消費促進のために疾病リスクおよび社会的ニーズという前提が必要だったという点である。すなわち、テクノフーズを氾濫させるためにはリスク言説そのものを生産することが重要なのである。
 1984年食品機能研究では「三次機能」(=生体調節機能)を考案した。三次機能を有した食品をあくまで食品として市場導入するにあたっては、すべての消費者に可能性が開かれているリスク、永遠にゼロリスクを志向させる装置としてのリスクが必要とされていた。1996年に考案された「生活習慣病」や「未病」、さらには「メタボリックシンドローム」といったリスクは、まさにぴったりとこれらのニーズにあてはまる。
 厚労省や消費者庁がお墨付きを与えている特定保健用食品が示す「効果」は、検証不可能性によって逆に効果が独り歩きできるようになっている。
 機能性食品市場の発展は、消費者による永遠のゼロリスクへ向かう「無限の妄想」すなわち「科学的非合理性」に大いに依存している。 (製品が)NGなのかOKなのかは「科学的精度」の問題などではなく、すべては「言説的精度」の問題なのである。私たちは「ポリフェノール」や「ビタミンE」といった成分が入っているという時点で、ほとんど無限に近い効能を妄想することが可能だ。そのような言説的規約に私たちはどっぷりとひたっている。
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トランプ現象とアメリカ保守思想 [読書メモ2016]

『トランプ現象とアメリカ保守思想』 会田弘継 2016/08

トランプ現象とアメリカ保守思想
著者は共同通信社客員論説委員。 アメリカの政治潮流から、トランプ現象を解説する本。

 アメリカのエリートの間には、さまざまな差別的発言に対する自己規制、暗黙のルールができあがっている。ポリティカル・コレクトネス(PC)、政治的に正しい発言かどうかが、日本とは比べものにならないほど重要なのだ。 公民権法が制定され、公平な国、平等な国アメリカというイメージが生まれはじめた1960年代以来、いわば、ことば狩りがずっと続いてきた。政治の世界では、そんなことばをひと言口にしただけで政治家生命は断たれてしまう。
 しかしいまや反対にその過激発言が彼(トランプ)の人気を浮揚させ、ますます後押ししている。その状況から、アメリカで起きている深刻な変化が透けて見える。 トランプの政策は、とにかく中間層重視というひと言に尽きる。
 重要なデータがある。どの先進国でも、中年層(45-55歳)は医療の進歩などの恩恵で死亡率が上がるということはあり得ない。ところがアメリカの中年白人層の死亡率は上がっているのだ。死因は、薬物・アルコール依存、そして自殺。中年白人男性の死亡率と、トランプの支持率を比べてみると、明らかに関連している。死にとり憑かれた集団が彼を支持している。それがいま起きていることの核心だ。
 保守もリベラルも、大衆運動レベルでこそ数十年ずっと問題にしてきたのは格差だった。ともに一向に解消されない格差に怒りを抱えた中間層に支えられているという意味で、民主党のサンダースと共和党のトランプは、一つのコインの裏表なのだ。
 この20年間ほど、アメリカ人はノスタルジアに浸り続けてきた。それは白人たちが1950年代に戻りたがっているということだ。トランピズム(トランプ現象)の意味するところは、南北戦争以前の世界、公民権法以前のアメリカ、再びアメリカが差別の世界へ戻ってゆくことなのではないか。そうした暗示を読み取ることができる。
 アメリカで起きていることは、アメリカ史の大きな流れのなかで過去の記憶とつながっているだけでなく、世界で起きている歴史的な構造変化を背景にしている
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10月第4週に読んだ本(まとめ) [既読一覧]

『魚が食べられなくなる日』 勝川俊雄 2016/08
『誰からも好かれるNHKの話し方』 NHK放送研修センター 2016/09
『農で1200万円!』 西田栄喜 2016/09
『IBMの思考とデザイン』 山崎和彦 2016/08
『科学的データでわかる 果物の新常識』 田中敬一 2016/08
『鳥獣害』 祖田修 2016/08

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魚が食べられなくなる日 [読書メモ2016]

『魚が食べられなくなる日』 勝川俊雄 2016/08

魚が食べられなくなる日 (小学館新書)
著者は東京海洋大学准教授。 日本の漁業衰退の原因は漁獲規制の不備であるという本。

 ピーク時に200万人とも言われた漁業者は、今や17万人。その上、魚が少なくなっている。漁師もいない、魚もいないので、日本の漁獲量は減少の一途、今は最盛期の4割以下。
 ホッケは資源量が20年で10分の1に減った。普通の国なら禁漁に近い措置を取って資源回復を図るはず。しかし日本政府は何もしなかった。ウナギも同様。中国産の養殖ウナギが輸入されていたために、絶滅危惧種になる直前まで、ニホンウナギが減っているという意識は消費者になかった。
 漁具・漁法の進化によって、これまで利用していなかった漁場の開発が進むと、漁獲が一時的に増える。その後は、漁場が開発し尽され、漁獲が低迷する。このパターンの繰り返し。
 世界の潮流はMSY(Maximum Sustainable Yield最大持続生産量)を実現できる漁獲規制。
 漁村以外の日本人が魚を食べるようになったのは冷蔵庫が普及してから。水産物の消費量ピークは2001年。
 「世界の魚を食べ尽くす」と思われている中国は水産物輸出超過国。しかも74%が養殖。世界最大の養殖国である中国の技術水準は、(ウナギやマグロなど採算度外視で公金をつぎ込んだ領域を除いて)日本をはるかに凌駕している。
 日本の漁業は大きく3つに分けられる。「沿岸漁業(日帰り)」「沖合漁業(EEZ内)」「遠洋漁業(EEZの外)」。
 ヒラメの種苗(稚魚)放流はピーク時に24億円の経費で6.3億円しか回収できなかった。種苗放流が盛んなのは日本ぐらい。生態系を乱すということで規制している国もある。 一方でサケやホタテの放流は黒字化している。
 個人経営の海面漁業の年間収入は225万円(2014年)。
 2010年から2030年の間に漁業生産は、世界全体で23.6%増加すると予測されている。日本は唯一のマイナス国で-9%の予測。
 日本の漁業が衰退したのは、漁業にまつわるルール、仕組みが時代にそぐわなくなってきたにもかかわらず、必要な修正をしなかったから。日本の漁業システムは江戸時代から変化がない。
 日本で漁獲枠を設定しているのは7魚種。漁獲量が日本と同程度の米国は520魚種、10分の1であるニュージーランドですら100魚種を漁獲枠で管理している。
 日本以外の国では、漁獲枠と漁獲量がほぼ等しくなる。日本では毎年漁獲枠の3割程度が消化されずに残る。これでは漁獲枠がないのと変わらない。 日本では公的なルールすら守られていない事例が見られる。国産ウナギの半分は密漁などの非正規ルート。監督官庁が取り締まらないので、違法行為が放置されている。
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