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君は憲法第8章を読んだか [読書メモ2016]

『君は憲法第8章を読んだか』 大前研一 2016/08

君は憲法第8章を読んだか
著者はビジネス・ブレークスルー代取。 憲法第8章を変えて、日本の統治構造を地方分権にすべきという本。

 私が「平成維新」を掲げて日本の統治機構改革を主張し始めてから、もう28年になる。これだけの歳月が過ぎたというのに、全くと言っていいほど変わっていない。
 統治機構の大変革を実現するための憲法改正を提案したい。その核心は「第8章 地方自治」の改正。
 いま企業が国内に設備投資をしないのは、結局、国内に成長機会を生み出すことができない政治家と役人の責任。
 日本企業の本質的な問題は、ホワイトカラーの生産性が非常に低いことだ。生産性をアメリカ並みに上げたら、ホワイトカラーの半分が余る。公務員も半減できる。2015年の教員1人当たりの児童・生徒数は小学校が15.7人、中学校が13.7人。
 いま日本で鬱積している問題の多くは、中央政府がすべてを差配し、政府の指示に逆らうことのない者には目こぼししてやる、という硬直した中央集権システムに起因している。
 都議会では「原案可決率100%」という異常事態が、3年以上続いている。要するに、都議たちは全く仕事をしていないのである。地方自治体は事実上、首長と役人が運営している。
 なぜ日本の地方は再生しないのか?地方に自立する意思も体力も構想もないからだ。 結局、憲法第8章の定めにより、日本の地方は単に「国から業務を委託された出先機関」でしかない存在となっている。日本の地方に「自治」はないのである。そんな憲法こそ書き換えなくてはならない。
 ドイツは13の州と3つの都市州を合わせた16の州で構成されている。敗戦後、進駐軍が最も重視したのは、ドイツに二度とナチスのような独裁中央集権体制を作らせないということだった。徹底的に中央集権を忌避し、州にアメリカよりも強い権力を持たせた地方自治の憲法を作った。
 イタリアには1500もの国際競争力を持った地方都市がある。多くの地方都市に共通するのは、「世界で1位のものを1つだけ」集中的に作っていること。 アルマーニなどの世界的なブランドも、フレームは鯖江に発注している。それがぐるっと回って輸入され、結果5倍くらいの値段を、日本の消費者は払っている。

「正しさ」にふりまわされないコツ [読書メモ2016]

『「正しさ」にふりまわされないコツ』 和田秀樹 2016/05

「正しさ」にふりまわされないコツ
著者は精神科医。クリニック院長。 「正しさ」と適度な距離を持ってつきあいましょうという本。

 精神科医の観点からいえば、「~すべき」「~すべきじゃない」といった”かくあるべし思考”は、メンタルヘルスに悪いもの。そういう真面目な人や正義感の強い人、理想が高い人ほど、うつ病になりやすい。
 自分を客観的に見つめようとする真摯で真面目な性格だからこそ、自分と他人の「正しさ」の間で苦悩する。
 いくら正しいことでも、それをふりかざせば、いたずらに争いを生む。自分の「正しさ」を信じこむ人は、往々にして他人の意見に耳を貸さない。結果、「自分が正しい」と思い込むことは、自分の成長を止めることにもつながる。
 「正しさ」にこだわる人は、自分に自信がないのかもしれない。自分に自信がないからこそ、「これまで信じてきた理想や正しさを捨ててもやっていける」と考えられない。
 開き直れないタイプの人にありがちなのが、「間違ってはいけない」とするあまり、ますますひどい状況に自分を追い込んでしまうこと。
 自分の中の「~すべき」と適度な距離を保つ。高田純次さんが理想的。
 国や世間のいう「正しさ」を疑ってみる。
 「組織内の正しさ」は時に暴走する。外部の人と交流するなど、定期的に自分の組織を客観的に見る習慣をもつ。
 自分の頭で考えない人ほど、ムーブメント的な正しさ(正義の味方気分)にはまりやすい。
 人を動かすのは、「正しさ」ではなく「優しさ」。自分に優しい人を信じてしまう面が人間にはある(詐欺など)。

徹底解説!アメリカ [読書メモ2016]

『徹底解説!アメリカ』 池上彰・増田ユリヤ 2016/08

(100)徹底解説!  アメリカ (ポプラ新書)
著者池上は名城大学教授、増田はジャーナリスト。 大統領選挙の背後のアメリカ国民の実情を報告する本。

 増田:トランプの支持者に話を聞くと、メディアはトランプが言っていることをきちんと報道していないと批判する。ネガティブな報道をすればするほど、支持者たちの熱は高まってきた。
 池上:報道する側は、既存の政治勢力と同じように、庶民の方を向いていないということですよね。だから支持者にとっては、メディアも既存の権力でしかないように映る。2人の(サンダースとトランプ)躍進を見ていると、アメリカが伝統的に既存の政治権力に対する拒否感が根強い国であることを改めて実感します。だから、政治のベテランというのは、大統領選挙では意外に弱い。
 ヒラリーはそのときどきで言い方や表現を変えたり、主張を変えたりしています。
 増田:トランプとサンダースに共通するのは、ぶれないということ。
 池上:(話は変わって)アメリカには日本のような選挙についての規制がほとんどありません。
 増田:自分で動かないと何も得られない選挙システムは、能動的にならないと何も得られないアメリカ社会のあり方自体を示している。
 「正義と理想」を叫び続けるサンダースの政治家としての姿勢が、若者たちの熱狂を呼んでいる。
 予備選挙の場合、過去に有権者登録をして投票したデータがインターネットに公開されている。名前、住所、電話番号はもちろんのこと、年齢や支持政党、過去にどの党に投票したかまでデータ化されている。
 実際に予備選挙に参加するのは2割程度。
 インタビューを進めるうちにわかってきたのは、やはりヒラリーの支持者は、一定のレベル以上の生活を送っていて、安定した仕事についている人が多いということ。
 アメリカは大統領がいて首相が存在しないという、非常に珍しい国。大統領が国家元首であると同時に行政の長でもある。だからアメリカの大統領は強大な力を持っている。
 ヒスパニックとは「スペイン系の」という意味。ポルトガル語を話す人もいるので、最近は「ラティーノ」(ラテン系の)と言うことも多い。
 トランプの「暴言」は「炎上商法」。

11月第4週に読んだ本(まとめ) [既読一覧]

『情報参謀』 小口日出彦 2016/07
『Dr.苫米地式資産運用法なら誰もが絶対にrichになれる!』 苫米地英人 2015/02
『日本一の覆面調査員が明かす100点接客術』 本多正克 2016/09
『永久円安』 山田順 2015/06
『ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか』 山崎繭加 2016/08
『勝率9割の投資セオリーは存在するか』 馬渕治好 2016/05

情報参謀 [読書メモ2016]

『情報参謀』 小口日出彦 2016/07

情報参謀 (講談社現代新書)
著者は(株)パースペクティブ・メディア代取。 自民党が野党だった時期に、TV・ネットの情報分析を担当した経緯を紹介する本。

 私は、自民党が大敗して政権を失った2009年夏の総選挙直後から、2013年夏の参議院選挙に勝利して政権を完全に奪還するまでの4年間、同党の「情報参謀」役を務めた。
 麻生政権下で衆議院が解散し、総選挙の日程が決まった直後、私を含めた複数の企業・組織から成るチームは「クチコミ@総選挙2009」と名づけたプロジェクトを立ち上げた。テレビの報道内容や、インターネット上のブログや掲示板の情報を大量に集め、そのデータを東大で開発された数理予測モデルに当てはめることで、全国300小選挙区の得票予測に挑む、というものだった。 最終予測は的中率80.33%を記録した。
 数字よりももっと重要なのは、黙ってメタデータを分析しているだけで、この予測を弾き出す事ができた、という事実だ。プロジェクトを終え10月に公開セミナーを開催した。これを偶然自民党議員秘書が聞いていて、”情報参謀”へとつながった。
 情報分析会議の第1回が開かれたのは2009年11月。茂木報道局長の依頼は、テレビ露出度の分析。
 2010年のゴールデンウィーク直前、茂木氏から「会議のやり方を変えたい」という話があった。7月の参院選挙対策だ。それまでの週単位の報告から1日単位へ、前日の内容に翌日対応できるようにした。
 夏の参院選後、情報分析にネットを組み込むことを提案した。そんな中、2つの事件が起きた。一つは11月3日に「ニコニコ動画」の生放送に、民主党の小沢一郎氏が出演した。もう一つの事件は、翌4日に起きた「中国漁船尖閣衝突映像流出事件」だ。 テレビだけでなくネットの情報も見逃さないこと、テレビとネットの相乗効果を意識すること、分析だけでなく行動の際にもネットを役立てること、情報会議でやろうとしていたことが、図らずも2日間に凝縮されて、実現してしまった。

Dr.苫米地式資産運用法なら誰もが絶対にrichになれる! [読書メモ2016]

『Dr.苫米地式資産運用法なら誰もが絶対にrichになれる!』 苫米地英人 2015/02

《思いのままにお金を集める》 Dr.苫米地式資産運用法なら誰もが絶対にrichになれる! (Knock‐the‐knowing)
著者は認知科学者。 お金儲けと仕事は別物で、お金は使い方の上手い人に集まるという本。

 お金を得たいと思った時に最も選択してはいけないやり方とは「仕事で稼ごうとする」こと。
 お金は、お金を上手に使ってくれる人のところにしか集まってこない。逆に言えば、お金が集まってこない人は、お金を上手に使っていない。
 日本は世界の中でもとりわけ貧乏を実感しやすい国。世界的に見て、電気代も家賃も食費も高いのに、収入はそれほど高くない。
 お金を稼ぐことと、仕事をすることはなんの関係もない。お金は持っている人から集めればいい。簡単に言えば、スポンサーを募ればいい。
 人は、自分より上手く使ってくれる人にしか、お金を渡したいと思わない。
 日本の企業の報酬形態は社員の奴隷化が前提になっている。日本の労働形態は江戸時代の丁稚感覚と変わらない。
 お金を儲ける方法は3つしかない。①お金でお金を生む方法 ②企業に勤める方法 ③付加価値を生み出す方法。 
 株式投資は過去も現在も、そして未来永劫、ギャンブルである。
 企業に勤めるなら、外資系銀行。いま入るべきはゴールドマン・サックス。
 (人の)ニーズに気がつくことが付加価値。それがお金儲けに繋がる。
 本当のお金持ちはお金を大して持っていない。その代わりに持っているのが巨大な資産。貧富の差は所得格差ではなく、資産格差。

日本一の覆面調査員が明かす100点接客術 [読書メモ2016]

『日本一の覆面調査員が明かす100点接客術』 本多正克 2016/09

日本一の覆面調査員(ミステリーショッパー)が明かす100点接客術
著者は(株)セオン代取。 覆面調査員から見た接客ポイントを紹介する本。

 日本ではじめてプロの調査員を組織化しました。なぜわたしがこの分野のプロフェッショナルであり続けることができるのかといえば、あくまでも「一般客」としての自分を忘れないからでしょう。
 忙しくなればなるほど、人の視野は狭くなります。あるイタリアンレストランでの話し。お客様がきたのに、だれもそれに気がつかないということさえありました。そのお客様は、結局、帰ってしまいました。忙しいときこそ、全体を見わたしてみましょう。
 小売業やサービス業にかかわっているのであれば、来店したお客様との接点をどのように持つべきかを、30秒以内に見極めるように。どのような業種であっても、最初の対応をすばやくしっかりと行うこと。
 商品の案内では、その商品が置いてある場所までお客様と一緒に移動しましょう。「そちら」という表現はあいまいで、不親切な印象を与えてしまいます。
 アメリカの大学で学んでいた頃、現役の裁判官が教えてくれたことで、印象に残っていることの一つが、背筋を伸ばすというもの。裁判では、理屈だけではなく、印象も非常に重要だということです。背筋を伸ばして仕事をするだけで、印象が30%もアップします。
 ふつうのお店では、高級店のような言葉づかいは求められていません。それよりも元気よく、笑顔であいさつができることのほうが重要です。
 お客様の80%は、不満があってもなにもいわずに去っていきます。できる限り目配り・気配り・心配りをしたいものです。
 常に小さなメモ帳を持ち歩き、気づいたことはすぐに記録していきましょう。
 人手不足だからという理由はよくわかりますが、最初はやせ我慢をしてでも、しっかりと人を見て採用していきましょう。いい人が集まれば、それだけサービスの質が高まり、離職率も下がります。

永久円安 [読書メモ2016]

『永久円安』 山田順 2015/06

永久円安 頭のいい投資家の資産運用法
著者はジャーナリスト。 日本経済は衰退傾向であり、長期的に円安が継続するという本。

 円はこの先一時的に円高になることはあっても、長期的にはどんどん安くなっていく。永久に円安が続いていく可能性すらある。それは、日本経済が衰退を続けていくからである。
 ドルで見れば2014年は日本の株価は下落した。もしこの傾向が続くなら、アベノミクスというのは2013年前半の初期のアナウンス効果だけだったということになる。
 日経平均はどんなに上がろうと、長期的に見ればNYダウにパフォーマンスで劣る。
 毎週木曜日に発表される「投資部門別売買状況」を見て外国人の行動に付いていくのが、アベノミクスが始まって以来の個人投資家の”正しい投資スタイル”になった。
 日本の政治家は与野党を問わず、「カネを刷って国民にバラまく」ことしか頭にない。そうすれば、おカネが国の中を回り景気が良くなると思い込んでいる。バラまきこそが票を獲得する最善の方法だと信じている政治家ばかりのこの国では、借金を止める方法はほぼない。
 「第三の矢」の規制緩和、構造改革だけを目指して、公務員も議員も減らし、組織をスリム化し、既得権益を持つ組織を破壊していけば、経済は自律的に回復しただろう。政府が本来やらなければいけないのは、「縮んでいく日本」「衰退していく日本経済」に合わせて経済の運用コストを減らすことだ。
 アベノミクスで賃上げの恩恵を受けたのは公務員だけ。2014年4月から日本は大不況に突入した。それを伝えたのは海外メディアだけだった。
 日本ではピケティ教授が言うような上位1%に富が集中するような格差は起こっていない。むしろ問題にしなければいけない格差は、公務員と一般労働者の賃金格差の拡大、正社員と非正規社員の賃金格差の拡大だ。さらに、年金問題に見られるような世代間格差の拡大である。
 円安がさらに進めば、日本が求めている「移民」(出稼ぎ労働者)は1人もやって来なくなる。1990年のバブル崩壊時が144.79円だったから、ここまで戻るのは確実。
 アメリカが今後も繁栄していく(ドルが強い)理由は以下の3つ。①人口増加が続く ②イノベーションとグローバル企業の発展 ③ネットワークによる情報支配の独占。

ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか [読書メモ2016]

『ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか』 山崎繭加 2016/08

ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか―――世界トップのビジネススクールが伝えたいビジネスの本質
著者はHBS日本リサーチセンター勤務。 ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の東北での活動を紹介する本。

 HBSとは、世界を変えるリーダーを教育することを理念とした機関だ。
 ジャパンIXP(Immersion Experience Program)というこの授業は、東京に1週間、東北に1週間ずつ滞在して学ぶフィールドプログラムで、第1回の2012年から毎年開催されてきている。HBSのMBAプログラムの2年生向け選択科目、つまり正式な授業の一環。
 ジャパンIXPがHBSの学生の心をつかむ授業となり、またHBSとしてもサポートを惜しまずに継続している裏には、その内容が2010年以降HBSで進行している大きな教育改革の流れと合致している、という理由がある。
 HBSのすべての授業は「ケース」と呼ばれる、ある組織の具体的な課題について記述した十数ページの教材をもとに行われる。毎年350以上の新しいケースを作成し、結果として世界に流通する全ケースの80%がHBSのケースで、年に1300万本以上のケースを販売している。
 世界金融危機後、未来のMBA教育のあり方について、knowing(知識)doing(実践)being(価値観、信念)というフレームワークを設定した。これまでの教育は、知識に重点を置きすぎていたとの反省である。新設された授業法は「フィールド・メソッド」と呼ばれる。そのひとつがIXPだ。
 ジャパンIXPはIXPの中で毎年最も高額で、50万円以上の費用を各学生が自費で負担している。
 東北での活動のひとつは、震災後に立ち上がった、あるいは震災を機に変革を行っている事業者のところに行き、午前中は何らかの体を使う活動を行い、午後はその事業者の現状の課題についてHBSの学生が頭を使って議論し提案するという形式。もうひとつは、学校(高校)訪問。
 2016年の第5回は、「真のアントレプレナーシップの世界的な実験場:東北」と名付けられ、ついに復興の文字がテーマから消えた。 HBSの学生は「事業は利益獲得のため、利益は株主のため」というよくある議論を離れ、改めて事業の目的とは何か、利益とは何のためにあるのか、という問いを考え直す機会を得た。

勝率9割の投資セオリーは存在するか [読書メモ2016]

『勝率9割の投資セオリーは存在するか』 馬渕治好 2016/05

勝率9割の投資セオリーは存在するか
著者は市場分析のブーケ・ド・フルーレット代表。 さまざまな”法則”やアノマリーを長期データで分析した本。

 1月は日本の株価(日経平均)が上がりやすい。
 1月に株価が上昇(下落)すると、その年の2月以降は上がり(下がり)やすい・・・というはっきりした傾向はない。
 セル・イン・メイ。5月は売り・・・というほど悪くはない。売るなら9月。
 米ドルは10月に買って1月に売る。
 日本のゴールデンウィーク中は、円高が進みやすい。
 日経平均の50日移動平均から、10-15%のプラス乖離、10-20%のマイナス乖離は(反転に)注意。(過去35年)
 円相場は52週移動平均腺から、プラスマイナス15%の乖離は(反転の)要注意。
 東証一部の騰落レシオ(値上がり÷値下がり)は、銘柄数ベースで140%前後は相場の加熱。80%前後は売られすぎ。
 「公的資金が株価を動かしている」という説は、週次の株価動向については、まったくのでたらめ。
 2012年はリーマンショック並に売られすぎだった。指数の予想PERで見て12倍を割ると売られすぎ、16倍を超えると買われすぎ。
 父ちゃんの立場指数(紳士服売上高前年比-婦人服売上高前年比)と景気動向は、概ね一致する。