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人民元切り下げ [読書メモ2017]

『人民元切り下げ』 村田雅志 2016/12
人民元切り下げ
著者は通貨ストラテジスト。 中国は人民元切り下げに追い込まれ、世界的なバブルにつながるという本。

 人民元は2016年の為替市場で大きく下落した。 中国では、人民元の下落と歩調を合わせるかのように、大量のマネーが国外に流れ続けている。 資本流出を背景に人民元の下落や外貨準備の減少が続くと、中国当局にとって最後に残された選択肢は、人民元レートの大幅切り下げだけとなる。 それは世界的に金融緩和とカネ余りを押し進める方向に動く。切り下げ直後のショックを過ぎれば、余ったマネーが再び株・不動産・資源などの市場に流れ込み、バブルを作り出す。
 習近平主席が、過去の高成長路線を放棄し、「新常態」と呼ばれる新しい経済方針を打ち出したことも中国の資本流出を促した。 習近平政権による反腐敗運動は、結果的には資本流出を促した。
 2014年後半から中国の外貨準備が減少を続けている。中国当局は外貨準備を使って元買い介入を続け、元安を抑制した。
 中国景気の先行き不透明感の強まりから、海外企業は中国への直接投資を慎重化させる一方、「一帯一路」構想を背景に中国企業は(資本逃避の意味も兼ねて)海外への直接投資を積極化させた。
 当局が容認できる人民元の下落率は年率で5%程度と推察される。そのペースで下落した場合、人民元の割高感が解消されるまでに3年から4.2年もの時間を要する。
 人民元の大幅切り下げは世界の多くの国で景気悪化につながると見込まれることから、「リスクオフ=円高」の流れになる。FRBはドル高(元安)に対応すべく、利上げを放棄せざるをえない。これは世界的なカネ余りの状況がさらに強化されることを意味する。
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