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侵略する豚 [読書メモ2017]

『侵略する豚』 青沼陽一郎 2017/10

侵略する豚

著者は作家・ジャーナリスト。 日本の畜産業に国家的戦略がないことを指摘する本。

 牛肉の世界消費量5654万トン(2010年)のうち米国が1204万トンで1位。次いでEU818万トン、中国は4位で558万トン。 豚肉の世界消費量は1億295万トン。中国が5109万トンで世界の半分以上を食べている。米国は3位で865万トン。 日本は牛肉の消費量で世界10位、豚肉で6位。
 1991年、米国は豚を輸出するよりも輸入が上回る純輸入国だった。それがいまでは、「TPPの草案を考えたのは私たちだ!」そう豪語して憚らないのが、米国の豚肉生産者たちだった。なぜなら、いまでは世界一の豚肉の輸出国に急成長しているからだ。
 「TPPに日本も組み込むべきだ、と主張したのも私たちだ!」 豚の生産者たちは言う。目指すのは次の市場だ。そこに隠された米国の世界戦略を日本人は知らない。
 世界最大の豚肉輸入国はどこか?といえば、それは日本だった。豚肉自給率は51%となり、約半分を輸入に依存している。 日本が米国を世界一の豚肉輸出国に育てたのだ。
 1959年の伊勢湾台風は山梨の養豚業に壊滅的な被害を及ぼした。これを見た米空軍トーマス曹長の働きかけで、翌60年1月、輸送機C130ハーキュリーズで35頭の豚が米国から空輸された。 この35頭の豚が、日本の養豚の礎となっていく。いまでは日本の豚のほとんどがこのアイオワ豚35頭のなんらかの遺伝子を持つとされている。 この空輸プロジェクトを「ホッグ・リフト」と呼んでいる。
 「こんどは鶏が欲しい。」との声で、たちまち4品種のブロイラーの種卵500個が贈られた。 養豚ばかりでなく、養鶏においても(米国産)トウモロコシを主体とした配合飼料が多用される時代につながっていったのだ。まんまと米国の市場戦略に乗せられていった現実がある。
 日本がTPP交渉参加を表明した2013年、全米で豚肉生産1位(25%)の「スミスフィールド」を、中国食肉大手企業「万洲国際」が47億ドルで買収した。 「これからの世界の食の安全基準は中国が作っていく」とブラックジョークのようなことが現実味を持って語られている。


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デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか [読書メモ2017]

『デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか』 ライアン・エイヴェント 2017/11

デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか

著者は『エコノミスト』誌のシニアエディター兼コラムニスト。 これからの貧富の格差の解消にはソーシャル・キャピタルが重要であるという本。

 三つのトレンド・・自動化、グローバリゼーション、スキルの高い小数の人間の生産性向上・・が重なって労働力の余剰が発生した。
 デジタル革命の先にあるのは仕事の消滅だ。 大デジタル化時代の繁栄を今後支えていく制度とは、経済成長に必要な仕事ができないために働かない人々が食べていける制度。
 将来の雇用はトリレンマの状況に追い込まれるだろう。新しい仕事の形は、①高い生産性と高い給料、②自動化に対する抵抗力、③大量の労働者を雇用する可能性、という3つの条件のうち、最大でも2つしか満たせない可能性が高い。
 トリレンマが解消されるとすれば、それは超専門化社会が到来したときだ。ウェブの売り手と買い手を結びつける力が、世界に数十億人いる労働者の大半が小さくとも食住をまかなえるだけは稼げるニッチを見つけられるところまで行きついた世界だ。
 現代の労働者は労働力余剰の世界で働いている。取り分を増やそうにも、労働市場における交渉力の行使には頼れない。 となれば、労働者は政治システムに救いを求める以外に選択肢はほとんどない。 デジタル革命によって生じた労働力の余剰は政治に重大な影響をもたらさずにはおかないのだ。
 企業は情報処理システムなのだ・・そしてそれがすべてになりつつある。
 ソーシャル・キャピタルとは、社会的ネットワークとその中で流通する情報の種類・・信念や価値観など・・を指すもの。 どんな社会でも、所得のレベルの伸びと配分を決定づける上で最も重要なのが、ソーシャル・キャピタルの深さなのだ。 ソーシャル・キャピタルが生み出した収益を社会制度を共有する共同体全体でより広く分かち合うべきだ、という意識が労働者の間で固まることが、所得と富のより平等な分配への道筋。
 今楽観すべき最大の理由は、人類には産業革命の体験があることだ。 悲観すべき理由は、工業化時代と同じく、今回もコントロールする者がいないことだ。


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英語にできない日本の美しい言葉 [読書メモ2017]

『英語にできない日本の美しい言葉』 吉田裕子 2017/10

英語にできない日本の美しい言葉 (青春新書インテリジェンス)

著者は国語講師。 英語に翻訳しにくい日本の言葉を紹介する本。

 雅(みやび):背景にあるのは平城京、平安京といった「都(みやこ)」。いかにも都らしい、洗練された様子を「雅」というようになった。
 ご無沙汰しております:沙汰が無い、つまり本来しなくてはならない処置をしていないという意味で、怠慢な態度のこと(それに対する反省)を表す。
 あいにく:今では「生憎」という表記もするが、もともと古文の世界では「あや、にく(し)」。要は、「ああ、憎らしい!」という言葉。
 鑑(かがみ):「鏡・かがみ」の元の発音は「影見」で、「姿を見る」ということ。そこから意味が広がり、手本や模範となるもののこともいうようになった。この意味のときは「鑑」という字で書く。
 刹那:元は仏教用語で、時間の最小単位を意味する「クシャナ」を当て字で表したもの。
 冥利:もともとは仏教の言葉。知らず知らずのうちに(冥)受ける、仏様のご利益のこと。
 白羽の矢が立つ:元は悪い文脈で用いる言葉。神様が生け贄を要求する際、該当者の家の屋根に白い矢羽の矢を立てると信じられていた。 現在ではもっぱら、名誉な役割に選ばれるという趣旨で使われる。
 おいそれと:「おい」という呼びかけに「それ」と応える、ということ。
 あでやか:おおもとの語源は「貴(あて)」。家柄が良く、上品な様子を表す言葉。
 憎からず:日本語の伝統的な語彙には「好きだ」と積極的に愛情を表現する語彙がほとんどない。
 霞:春に見えるものを霞と呼び、秋に見えるものを霧と呼んで区別してきた。
 暮れなずむ:日が暮れそうで、なかなか暮れないでいる様子。「なずむ」は古語で、物事の進行が妨げられて、順調に進まない様子を表す言葉。
 黄昏(たそがれ):語源は「誰そ彼」、つまり「誰だろうか、彼は」。夕方の薄暗くなった頃、往来の人が見分けづらくなってきた様子をいう言葉。


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世界のタブー [読書メモ2017]

『世界のタブー』 阿門禮 2017/10

世界のタブー (集英社新書)

著者は文化史ジャーナリスト。 世界のタブー・習俗を紹介する本。

 もともとイスラームには、左手が不浄であるとの考え方はない。
 握手というのは基本的には男性同士の挨拶。女性同士では握手をかわさないのが普通。男性は女性から手が差し出されたなら握手に応じてもいい。
 イスラーム圏では足の裏を見せることは無礼とされる。イスラーム圏ではたとえ足の裏が相手に見えなくても、ふつうに脚を組むことも避けるべき。 アルゼンチン代表メッシ選手は、サウジのテレビで、チャリティに提供するとして自分のスパイクを差し出した。この番組はエジプトでも人気で、エジプトでは「メッシが侮辱した」と大騒ぎになった。
 海外のゴルフクラブでは、ラウンドを終えてもクラブハウスで靴を脱ぐのはタブー。
 脱いだ靴をモスクに持って入るときは、靴裏を合わせる。
 欧米だからといって、靴を履いたままと、ひとくくりにはできない。
 日本では家に上がるとき、履き物をそろえてつま先を玄関のほうにむけて置くが、韓国でこうすると「長居したくない」の意思表示と受け取られる。
 「邪視(邪悪な視線は災いをもたらすとの考え)」を避けるという発想から、アラブ諸国やインドなどでは自慢することや見せびらかすことは一種のタブーとなっている。 エジプトでは、外観をきれいに飾り立てた家をあまりみかけないが、それも邪視を避けるためだといわれる。
 親指と人差し指で丸をつくる「OK」または「お金」のしぐさは、ギリシャ、トルコ、中東、ロシア、北欧の一部、ブラジルなどでは「ケツの穴」という意味の侮辱をあらわすことになる。
 世界には人差し指でさされることを侮辱や挑発ととらえる社会が圧倒的に多い。民族・社会によっては人だけでなくものを指差すこともしない。
 米国では太っていることをファットとはよばずにウェイト・チャレンジド(体重に困難がある)と呼び変えようという風潮がある。
 「タブー」とは、探検家ジェームズ・クックによってはじめて紹介されたトンガの言葉。


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世界で突き抜ける [読書メモ2017]

『世界で突き抜ける』 佐藤航陽(かつあき)・竹中平蔵 2016/03

世界で突き抜ける (INTELLIGENCE TALK BATTLE 1)

著者佐藤は(株)メタップス創業者。 世界に通用するリーダーになるためには、何が必要かというテーマでの対談集。

 竹中:リーダーとは「その人がいないと社会が成り立たない存在」。 リーダーの3つの要件は、①洞察力 ②アカウンタビリティ(自分の考えをステークホルダーに語って納得させる力) ③組織を動かす力。
 日本は現場が重視されるが、現場はしょせん現場。リーダーに求められるのは俯瞰する能力。
 リーダーシップを磨く方法として注目しているのは、コーチング。
 佐藤:常に自分らしくないことをするのが重要かもしれない。自分らしくないことをするといろいろなことに気づく。
 アメリカはフロンティアがないと人間は活力を失っていくということまで理解して、政治も教育制度もつくっている。
 竹中:日本は「シンデレラの国」。常に海で守られているから緊張感がない。 日本は(せっぱ詰まってから)急激にしか変われない国。
 佐藤:近代においては、情報の非対称性が利益の源泉。 完璧な戦略を全員が描けるようになったら、情報の非対称性が消えて、経済は縮小する。
 iPhoneは同じテクノロジーを理解していた人なら誰でもつくれた。ただしジョブズは未来がどうなるかを予測できていて、どのタイミングならiPhoneが人々に受け入れられるかを読みながら発売した。
 竹中:アメリカの政治家や政治科学者は、ちゃんと経済学を勉強している。日本の政治の専門家は経済をあまり勉強していない。
 佐藤:未来のことが知りたいんだったら、いくつかの専門は持っていないといけない。
 竹中:損失を出している企業こそが悪徳企業。
 佐藤:日本にいるのは、たぶんずっと部屋の中にいるようなもので、けっこう快適。でも本当に面白いことはいつも部屋の外にある。


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ビジネスモデル症候群 [読書メモ2017]

『ビジネスモデル症候群』 和波俊久 2017/09

ビジネスモデル症候群 ~なぜ、スタートアップの失敗は繰り返されるのか?

著者はLean Startup Japan LCC代表。 ビジネスモデルに固執することが失敗につながると注意する本。

 スタートアップはビジネスモデルを手にするから失敗する。 ジレットは替刃で売上を上げようなどとは思っていなかった。
 日本で開催されるビジネスモデル・コンテストの最大の特徴は「優勝者がだれも起業しないこと」。
 ビジネスモデルを考えれば考えるほど、起業は失敗する可能性が高くなる。 必要以上のビジネスモデルへのこだわりは、かえって起業の成否に悪影響を及ぼす。
 典型的な5つの症状:①バイアス 「仮説検証」と称して都合のいいフィードバックばかりを集める、「確証バイアス」。 頭の中で何を考えているかによって、ひとは視覚にも影響を受ける。 アイデアを持ってしまってから対策を講じても遅い。
 ②ヒューリスティック 「直感的に手に入れた結論」が真実である可能性はとても低い。 「アイデアが浮かばない」のではなく「アイデアが自分の脳を欺し始める」から起業は難しい。
 ③経営破綻 スタートアップはアイデアで失敗するのではなく、経営に失敗して敗れていく。 早々に会社を潰してしまうスタートアップと、長期間「ネバれる」スタートアップの違いは、単純に「真のニーズを掘り当てるまで、経営が継続できるかどうか」。
 ④手段の目的化 課題を解決するほかの方法が目に入らない。
 ⑤失敗のループ うまくいかない状況から抜け出せなくなる。 「金銭」より「時間」の損失のほうが高くつく。
 少数派の起業成功要因よりも、大多数の失敗を分析することのほうが、はるかに重要。
 仮説というものは、意図的に「反証」をおこなわないと真実にたどり着くことは絶対になく、問題を正しく理解していないと必ず解答を間違える。


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「落ち着きがない」の正体 [読書メモ2017]

『「落ち着きがない」の正体』 スチュアート・シャンカー 2017/11

「落ち着きがない」の正体

著者はヨーク大学(カナダ)名誉教授。 ADHDなど発達障害の子供に対応する方法、セルフ・レグを教える本。

 理解して我慢強く接すれば、すべての子を豊かで実りの多い人生へ導くことができる。だが「問題児」というステレオタイプが、私たちの目にバイアスをかける。 子ども自体を否定的に判断するのは、えてしておとなの防御メカニズムにすぎず、子どもの「性行」に自分が手を焼いていることを、責任転嫁するものだ。
 できないなら罰を与えると脅すのは、すでに彼らが抱えている過剰なストレスを、さらに増やすだけだ。
 (子どもの)強い覚醒状態が慢性的に続くと、大脳辺縁系の警報はストレスに過敏に反応するようになり、すぐにベルを鳴らしてしまう。(たとえそんなものがなくても)脅威を探し出そうとするため、知覚そのものも変化(誤認識)する。
 (マシュマロテストで)情動的、身体的、あるいは心理的ストレスが大きいほど、子どもはごほうびを先延ばしにするのがむずかしくなった。そこからわかるのは、子どもが衝動に抵抗する能力は、なによりもまず覚醒の問題だということだ。つまり過多なストレスがエネルギーの蓄えにもたらす影響なのである。
 そういった(爆発を起こす)問題は、これまで子どもの自制心が弱いことに起因すると考えられてきたが、いまではより的確に、子どもの自己調整(セルフレギュレーション)に問題があるのだと理解されている。
 自制心の必要性を厳しく叩き込んでも、解決にはならない。それでは自己調整のスキルを修復することも築くこともできない。
 子どもの問題行動の原因はストレス過剰であると認識した瞬間に、あなたとの関係すべてが変化する。セルフ・レグでは、これを「リフレーミング」と捉える。
 人間の赤ちゃんはすべて未熟児で生まれる。「子宮外にいる胎児」なのである。 シナプス成長と刈り込みは4歳あたりまで、驚くべきペースで続き、6歳半になる頃には、およそ95%の脳の発達を終えている。
 子どもが困っているときに、私たちは反射的に理屈で説こうとする。残念ながら、覚醒過剰の状態では、理屈を処理するのに必要な脳のシステムは作動していない。なにを言っても相手には通じない。一番はじめにしなくてはならないのは、そのシステムを回復させることだ。 子どもたちがエネルギーを補給するために必要な、この情動的な安心感を浸透させること。そうやってストレスサイクルを断つことができる。
 子どもやティーンエイジャーが学習する脳を保つうえで、もっとも大事な要素は、ぜったいの安心感だ。
 子どもたちの不安は、自律神経に過度の負荷がかかっているサインである。


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続・なぜ、企業は不祥事を繰り返すのか [読書メモ2017]

『続・なぜ、企業は不祥事を繰り返すのか』 樋口晴彦 2017/11

続・なぜ、企業は不祥事を繰り返すのか-重大事件から学ぶ失敗の教訓- (B&Tブックス)

著者は警察大学校教授。 企業が不祥事を起こす構造的な原因を解説する本。

 オリンパスの場合には、不正な会計処理に携わっていたのは経営トップとごく一部の財務担当者だけだった。しかし東芝では、7つの社内カンパニーのうち5つで不正会計が行われていた。さらに、経営トップのみならず、経理・財務・事業部の担当者など膨大な数の社員が関与していた。
 東芝ではセクショナリズム的発想が非情に強かったようだ。2010年度には業績が好調であり、それまでの「借金」を全て解消することが可能であった。にもかかわらず、個々の事業部レベルで利益が不足していれば「借金」の解消を認めなかったことが、不正会計長期化の一因となった。
 東芝では、90年代後半に業績が悪化したことから、当時の社長であった西室泰三氏のイニシアティブにより、1999年からMI運動(数値管理による業務改善)を開始した。指標として四半期毎の営業利益や予算達成度が重視されるようになった。 MI運動の結果、個々の東芝社員の行動様式が大きく変質した。
 成果主義の本家である米国では、経営者交代の際に前任者の経営責任を厳しく追及するため、東芝のように多数の社員が関与した不祥事を長期にわたって隠し続けることなどできない。米国流経営を日本で機能させるためには、経営者自身も米国流に厳しい責任追及を受けねばならないのだ。
 日本企業の再発防止対策のメニューは、現場に無知なマスコミ関係者に受け入れられやすい対策を列挙しただけで、本当にそれが「正しい治療策」なのかどうか掘り下げた検討を怠っているのではないだろうか。不祥事が発生するのには理由がある。そして、不祥事がいつまでも無くならないのにも理由がある。


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定年後 年金プラス、ひとの役に立つ働き方 [読書メモ2017]

『定年後 年金プラス、ひとの役に立つ働き方』 杉山由美子 2014/07

定年後 年金プラス、ひとの役に立つ働き方 (朝日新書)

著者はフリーランスライター。 定年後に新しい仕事をはじめた人30人を取材した本。

 予想外に定年後働かないひとが多いことに戸惑った。社会保障制度は高齢者に手厚く、現役時代の収入が高い正社員だった人は、年金で暮らしをまかなえること、しかも働きたくともその場が社会に用意されていないことによる。日本は60代の勤労意欲は高く、生涯現役をのぞむひとがたくさんいるのに、社会に働く居場所がないのだ。 ハローワークは若いひとの就職支援に力を入れ、シニアはあとまわし。
 新川政信さん:定年後、介護の担い手をシニア世代が引き受ける株式会社「かい援隊本部」を立ち上げた。 「若者に介護はさせない。元気な高齢者が要介護高齢者をケアする。 介護を必要とするのは、高齢者の16%。あと84%は元気だから、84%のひとが16%のひとを支えるべきでしょう」と説明してくれた。
 上田研二さん(73歳):60歳以上に限定した高齢者人材派遣会社「高齢社」を経営する。 高齢社は「定年後、働く気力、能力、体力のあるひとのために働く場と生きがいを提供する」ことを目的に創った。高齢者がワークシェアリングしてふたりでひとり分の仕事をする人材派遣業である。 いまや年商5億。 業務範囲は設備管理から倉庫管理、書庫整理、ビル巡回管理、清掃、安全点検、データ集計、メンテナンス、リフォーム、リコール折衝、電話受付、営業代行、経理、事務にも及んでいる。
 荒木正人さん:情報システム会社から56歳で早期退職。はじめたのは介護タクシー。リピーター率9割。介護タクシーは4台になり、契約する運転手は8人になった。 退職してすぐ、介護ヘルパー2級免許と福祉住環境コーディネーター2級、大型二種免許資格を取った。介護タクシーに必要なのは二種免許。介護タクシーに踏み切るまで幼稚園の送迎ドライバーを1年2ヶ月経験した。
 梶芳光熙さん:60歳で定年後植木職人に。豊島区のシルバー人材センターに登録したのがスタート。いまでは依頼者のほとんどはリピーター。


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漂流女子 [読書メモ2017]

『漂流女子』 中島かおり 2017/10

漂流女子 ――にんしんSOS東京の相談現場からー― (朝日新書)

著者は一般社団法人にんしんSOS東京代表理事。 思いがけない妊娠をした女性をサポートする活動を紹介する本。

 ここでは、思いがけず妊娠し、相談先を探しながら孤立している女子のことを「漂流女子」と呼ぶ。
 どのような背景があって妊娠したのかにかかわらず、妊娠している女性の戸惑いをしっかりと受け止め、その人自身が納得して道を選択できるよう、さまざまな関係機関と連携しサポートをする相談支援窓口。それが、にんしんSOS東京である。
 2015年度に発生した子供虐待による死者数は84名。そのうち0歳児が57.7%で最も多く、さらに0歳児のうち、4ヶ月未満児が約60%を占めている。 虐待死のうち、約9割が母子手帳未交付、妊婦検診未受診。
 19歳という年齢は制度のはざまで取り残されてしまう。社会的な手助けが必要な児童の福祉のための「児童福祉法」は、その適用が「満18歳に満たない者」までであり、一方で19歳は未成年であるため、あらゆる場面(中絶する場合など)で(親から虐待を受けていても)親権者の同意が必要になるのだ。
 平成28年におけるコミュニティサイトでの被害児童数は1736人。SNSの種類別については、4人に1人がツイッターを通して被害に遭っている。
 客の男性にレイプされた(風俗の)女性からの相談を受け、一緒に警察に行ったことがある。ところが「そういうリスクのある仕事だよね」と警察官は言った。性犯罪被害者のための緊急避妊ピル公費負担の制度も彼女たちには適用してもらえない。
 シングルマザーになった理由は80%以上が離婚によるもの。シングルマザーの13.2%が中卒。
 海外に比べて日本では婚外子の割合が非情に少ない。2015年で2.29%。かたや、アメリカ40.2%、イギリス42.9%、フランス48.4%。特にヨーロッパでは、アイスランド65.7%、スウェーデン54.6%などのように半数を上回る国も目立っている。 結婚していないカップルやシングルマザーでも子供を育てていける空気があれば、中絶件数(年間18万件)はもう少し減るかもしれない。


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