So-net無料ブログ作成
検索選択

東京の敵 [読書メモ2017]

『東京の敵』 猪瀬直樹 2017/01

東京の敵 (角川新書)
著者は作家、元都知事。 東京都政が抱える問題点を指摘する本。

 都政の妨げになっている2人のドンが存在する。”都議会のドン”、自民党都連幹事長だった内田茂氏、そして、”五輪のドン”、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長・森善朗氏である。
 僕は副知事だったころから、しばしばメディア関係者に「内田茂という都議が都政の妨げになっている」と指摘していた。しかしその当時は「たかが都議会議員でしょう」と言われて、まったく関心をもってもらえなかった。
 ”都議会のドン”の権力の一つは、副知事を承認する権限。 副知事の就任には、都議会の承認が必要となる。 都議会の場合、副知事は通常、役人の最終ポストと思われていて外部の人材の前例が少ない。
 なぜ東京都連幹事長というポストはそれほど権力があるのか。 まず自民党の都知事や都議の公認候補はもちろん、都選出の国会議員の公認権も、自民党本部ではなく都連が決める。 都連の会長(国会議員の石原伸晃氏)は名誉職にすぎず、実際の公認権を持っているのは都連幹事長。だから東京都を基盤とする40名以上の国会議員たちのほとんどが内田氏に頭が上がらない。 そのような幹事長ポストに2005年以来10年以上君臨していたのが、内田氏。
 内田氏は2010年から地元の千代田区に本社を置く東光電気工事の監査役を務めている。そして同社を含むJVがオリンピックの「有明アリーナ」などの施設工事を落札している。
 新国立競技場やエンブレムの問題など、五輪をめぐって不祥事が噴出したのは、東京五輪組織委員会のガバナンスに問題があるから。組織委員会のトップである森氏がガバナンスを利かせていないがゆえに、無責任体制ができあがってしまった。
 五輪関連組織の幹部は、森氏の息の掛かったメンバーばかり。組織委員会の副会長だったトヨタ自動車の豊田章男氏が辞任したのは、森氏との対立が背景にあったのは明らか。
 オリンピックは都市のものであり、東京の担当なのに国に主導権を奪われている。その大きな理由は、森会長の存在と、前都知事・舛添氏のリーダーシップの欠如にある。
 メディアは批判だけしていればよい、そうであるならば気楽な稼業です。役人も、結局は政治家が最後に介入するから、「おれたちも関係ない」という態度になっている。こうして国中が無責任体質となってしまう。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

貧者の一票 [読書メモ2017]

『貧者の一票』 渡邉哲也 2017/01

貧者の一票 グローバル経済の崩壊と連鎖する無血革命
著者は作家・経済評論家。 グローバル化が貧者の一票で終わりを迎えつつあるという本。

 貧しい国が豊かになると戦争が起きる。豊かな国が貧しくなると革命が起きる。
 国家による規制を最小限にとどめ、ワン・ルールの下で世界を1つにしていこうとするグローバリズムの下では、弱肉強食化が進むことは避けられず、必然的に格差が拡大していく。
 こうしたグローバリズムに決定的な打撃を与えることとなったのが、リーマン・ショック。 そして、その怨嗟が金融機関に向けられ、「金融叩きが票になる」という構図が生まれた。政治は、多額のお金を献金してくれるウォールストリートの一握りの支持者よりも、多数の庶民が持つ「貧者の一票」になびくようになる。 ウォールストリ-トから多額の献金を受けていたことで批判を浴びていたクリントン氏には、大きな逆風が吹いていた。
 (英のような)島国もしくはアメリカのように隣接する他国が少ない国は、国民がナショナリズムを選択すれば、それが現実の政策として成立する。
 今、世界は20世紀以前の「r>g」に象徴される社会構造に戻りつつある。
 今回の大統領選では、(メディアが作った)トランプ・バッシングがあまりにも激しかったため、トランプ支持を公言するのを控えた有権者が多くいた。そのためメディアは「貧者の一票」の動向を読み切れなかった。
 トランプ大統領の誕生は、イギリスに次いでアメリカがグローバリズムからナショナリズムに舵を切り替えたことを意味し、同時にテレビや新聞に代表されるレガシーメディアの衰退を意味するものになった。
 NHKのグループ会社の利益剰余金は2014年度末に916億円。不都合な事実については「報じない自由」を行使し、世論を操作しようとする既存メディアに対する国民の不信は募る一方だ。
 グローバル化によって起きた世界のワン・ルール化によって多大な恩恵を受けたのがグローバル企業であり、グローバル金融。そしてこれが、ある意味でグローバリズムの正体。
 (今の中国のような)基本的人権の尊重をはじめとする民主主義の基本ルールに従うつもりがない国には、何を言っても無駄。国民の不満を逸らす1つの方法が、対外拡張戦略。
 一極支配のグローバリズム構造が崩壊し、「インターナショナル」すなわち国家間の対立構造の中でのバランスを重視する方向に変わりつつあるのが、今の国際社会。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

がんは働きながら治す! [読書メモ2017]

『がんは働きながら治す!』 中川恵一 2017/01

がんは働きながら治す!  一億総活躍社会のためのがん教育
著者は東大医学部附属病院放射線科。 日本人のがんに対する間違った認識を正そうという本。

 がんと診断されると、その患者さんが1年以内に自殺するリスクは23.9倍。これは、がんは痛い病気、こわい病気だという負のイメージが大きいからで、原因の多くはテレビにある。テレビドラマでは、がんにかかった主人公たちは必ず死んでしまいますから。
 「がん全体で6割が治り、早期であればほとんど完治する」ということを、テレビをはじめマスコミはしっかり伝えていただきたい。
 がんは不治の病だというイメージもあって、がんと診断されただけで会社を辞めてしまう人は多い。
 生涯でがんに罹患する確率は、男性63%、女性47%。 70歳まで雇用延長ということになると、5人に1人ががんに罹患する。
 日本人のがんによる死亡率は米国の1.6倍。
 日本における高齢者の就業率は20.1%と先進国で最も高い水準にある。就業者総数に占める高齢者の割合は10.1%。
 喫煙はがんの最大リスク。飲酒は煙草に次ぐ発がん原因。
 先進国の中で、がんが減り続けている欧米に対し、日本だけが増えていることの背景に、国はもちろん、企業も個人もがんのことを知らなさすぎるということが挙げられる。日本のがん検診受診率(30%)は先進国の中で最も低い水準。
 2017年からようやく全国の小中学校で「がん教育」がスタートする。
 がん治療は一種の情報戦で、正しい情報を手に入れるかどうかが治療の成否を左右する。初回の治療が鍵で、病院選びが大事になる。インターネットでは情報が溢れているため、正しいものを見分けるのは容易でない。信頼できるのは国立がん研究センターに代表される公的な組織が運営しているサイト。
 (検診で)現在のところ日本で有効性が証明されているのは「5がん検診」だけ。5がん検診:胃がん検診、肺がん検診、大腸がん検診、子宮頸がん検診、乳がん検診。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

4月第3週に読んだ本(まとめ) [既読一覧]

『ストーリー思考で奇跡が起きる』 小山竜央 2015/09
『コンピュータは私たちをどう進化させるのか』 橋本昌嗣 2016/12
『1万円から始める不動産ファンド投資』 小山努 2016/03
『経営者のための事業用不動産「超高値」売却術』 大澤義幸 2016/08
『不動産投資の超基本』 牧野知弘 2016/06
『奨学金が日本を滅ぼす』 大内裕和 2017/02

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

ストーリー思考で奇跡が起きる [読書メモ2017]

『ストーリー思考で奇跡が起きる』 小山竜央 2015/09

ストーリー思考で奇跡が起きる~1%の成功者だけが知っている「人生の脚本」の作り方~
著者は(株)ライブクリエイト代取、講演会コンサルタント。 目標ではなく、目的とストーリーを持って生きましょうという本。

 多くの人が成功しないのは、奇跡を起こすための「仕組み」を知らないから。奇跡というものはすべて「脳の仕組み」を理解することで誰もが起こせる「現象の一つ」にすぎない。
 多くの人が誤解しているポイントは、「役に立つこと」を学び、行動すれば結果が出る-そう思い込んでいること。 成功している人がお金と時間を使うのは、「役に立つこと」ではなく「今、自分にとって必要なこと」。 結果の出ない人は「いつか使うかもしれないけれど、今は必要ない」知識をどんどん溜め込む。
 目標を設定すると「やらされている感」が強くなり、途中で挫折する。 目標達成ではなく、もっと大きな視野を見据えた「目的(テーマ)達成」を目指す。 目標はテーマ達成に至るまでの通過点。そこに行き着くまでの出来事はストーリーそのもの。ストーリーの力を活用して目的達成を果たす考え方を「ストーリー思考」と呼ぶことにした。
 ソフトバンク会長・孫正義の言葉「登りたい山(テーマ)を決める。これで人生の半分が決まる。だけど、腹の底から決めきれてない人が、実は99%」。
 半年経っても1年経っても、一向に変化が現れないとしたら、それはあなたがストーリーテラーの立場を放棄しているか、邪魔をする要因を排除できていないせい。
 未来を変化させる3つのイベント:①テーマ達成に近づく出来事 ②強制力がある出来事 ③人が関係する出来事。
 自分の力だけに頼っていては、奇跡は起きない。必要なのはイベントをきっかけにしてストーリーの流れをテーマ達成に近づけていくこと。
 ストーリーの中で、ぜひ登場させたいのがメンター。 手段はどうであれ、その分野における第一人者から学ぶという姿勢を持つ。
 ストーリーの中で大切なことは、まずは結果ではなく、イベントを起こすこと。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

コンピュータは私たちをどう進化させるのか [読書メモ2017]

『コンピュータは私たちをどう進化させるのか』 橋本昌嗣 2016/12

コンピュータは私たちをどう進化させるのか 必要な情報技術がわかる8つの授業 (ポプラ新書)
著者はデジタルハリウッド大学大学院客員教授、(株)鉄人化計画開発部長。 最新のコンピュータ・テクノロジーについての講義をまとまた本。

 2時間目:安生健一朗(インテル) 半導体の集積度がおよそ18ヶ月で2倍になっていくというムーアの法則は、1965年に発表され、現在も続いている。 現在のトランジスタの大きさは14nm。インフルエンザウイルス(約100nm)より小さい。
 CPUから近い順番に並ぶ記憶領域のレベル、キャッシュ、メインメモリ(DRAM)、HDDといったレイヤーのことを、メモリ階層という。1階層で1000倍早さが違う。 2015年秋に「インテル3D Xpointテクノロジー」という全く新しい記憶保持技術が発表された。DRAM並の速さでアクセスでき、かつ不揮発性。
 人、物、金につぐ第4の通貨といわれているのが(ビッグ)データ。
 3時間目:澤井理紀(NVIDIA) 世界初のGPUは1999年の「NVIDIA GeForce256」。 いまとくに3Dグラフィクスの活用場所として注目されているのが、バーチャルリアリティ(VR)。
 GPUコンピューティングをとくに世間に知らしめているのが、「ディープラーニング」。グーグルのAlphaGoも数百個のGPUを使っている。 ディープラーニングの活用方法として、実用化に向けて活発に動いているのが自動運転技術。 現在自動運転に取り組んでいる車メーカーはすべて、ディープラーニングの要としてGPUを使っている。 ディープラーニング技術は今後10年間で50兆円規模の市場を創出するだろうともいわれている。
 5時間目:中山五輪男(ソフトバンク) 人工知能は究極のアドバイザーとして期待される。 さまざまな企業がIBMワトソンの導入を検討していますが、最も反応がいい(使いたがっている)のがコールセンター。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

1万円から始める不動産ファンド投資 [読書メモ2017]

『1万円から始める不動産ファンド投資』 小山努 2016/03

ローリスクで年利7%  1万円から始める不動産ファンド投資
著者はLCパートナーズ代取。 クラウドファンディングによる不動産投資を紹介する本。

 上場会社であるロジコムの子会社として、アセットマネジメント事業を行うLCパートナーズを立ち上げた。その経験から断言できることは、一般市場で取引されることがない不動産ファンドで資産運用を行えば、投資の初心者でもリスクを取らずに利益を得られるということ。市場の価格変動の影響を受けない上に、1万円という小額からスタートできる。年利で7%得ることも不可能ではない。
 初心者は株式投資に手を出してはいけない。
 リスクの大きな株式を避けた場合、資産運用の次善の選択肢としては「国債」「投資信託」「リート」が考えられる。 しかしこれらに共通する価格変動リスクは、元本が大きく失われる危険性があるだけに最大限の警戒が必要。 不特定多数の人が参加する市場で売り買いが可能な投資商品はどれも、市場変動リスクを免れることはできない。
 そこでお勧めしたいのが上場されていない不動産ファンド、具体的には「不動産私募ファンド」。リートの利回りが3-4%なのに対して、私募ファンドは運用利回り6-7%が当たり前で、中には10%を超えるものもある。
 私募ファンドはもともと巨額の資金を扱うプロの投資家を対象としていた。しかし近時、一般の投資家でも投資することを可能にした仕組みが現れた。それが「クラウドファンディング」。
 私募ファンド市場は2015年6月で15.1兆円。リートの13.5兆円を上回る。
 日本の不動産は世界から見て非常に恵まれている。日本のイールドギャップ(投資利回り-金利)は世界でも高い水準。
 初心者が不動産ファンドを選ぶ際のポイント:①詐欺的なファンドを避ける ②リスクを理解する ③情報を収集する。
 不動産ファンドが電話で勧誘してきたら、まず詐欺。 私募ファンドは投資家の人数が500人未満と義務づけられている。
 不動産ファンド投資で得た利益を、ハイリスク投資に回す。それが短期間での資産形成を実現するカギ。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

経営者のための事業用不動産「超高値」売却術 [読書メモ2017]

『経営者のための事業用不動産「超高値」売却術』 大澤義幸 2016/08

経営者のための 事業用不動産「超高値」売却術
著者は不動産コンサルタント、経営者引退コンサルタント。 事業用不動産売却時に気をつけるべき点を解説する本。

 実際のところ購入から数年の間は、その取引が損だったのかどうか、不動産に精通した専門家ですら、的確に判断することはほとんど不可能。
 経営者にとって不動産取引が切実な問題となってくるのは、購入のときよりも売却のとき。さらに言えば、「売らざるを得ない、抜き差しならぬ状況」での不動産売却こそがもっとも重要。こうしたときにこそ、損をしやすい。
 経験をもとに言えるのは「どんな不動産も交渉次第で、売主が考えているよりはるかに高い価格で売ることができる」ということ。 交渉を有利に進めるために必要なものは、平たく言えば「知識」。
 売却に失敗しやすい5つの理由:①売らざるを得ない状況に付け込まれる。 時間のなさこそ最大の失敗原因。 ②売主の情報が買主に漏れる。 従業員から情報が漏れる危険性。 ③経営者に不動産売却の経験やノウハウがない。 ④家族・親族が売却の足枷になる。 ⑤売却に際して頼れる相手がいない。 本当に信じられるのは自分だけ。
 不動産仲介業者に会うときには、余計な情報を出さないように気をつける。買主側に情報を漏らしたりすることもあり得る。売主側から出すのは物件の基本情報と「〇〇円で売りたい」という希望のみに限定する。
 「入札」は合理的な方法に思えるが、仲介事業者と入札者全員がグルになっていて、低めの価格で落札できるよう仕組まれているケースが少なくない。大手の不動産仲介会社が主催する入札でもそういった不正がたびたび行われる。
 高値売却を希望する人にとって、最大のカギとなるのは「できるだけたくさんの人(仲介業者や買手候補)と会うこと」。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

不動産投資の超基本 [読書メモ2017]

『不動産投資の超基本』 牧野知弘 2016/06

不動産投資の超基本
著者はホテル・不動産のアドバイザーや執筆・講演活動。 タイトル通りの本。

 日本の金持ちはプロ大家とサラリーマン大家といわれる2種類。
 不動産のプロの間では、「マンションを買うなら築7,8年ものを買え」という格言がある。建物である限りは「何らかの不具合はある」ということが前提。
 建設はゼネコンの名前で選ぶのではなく、現場監督で選ぶことが常識。
 設計と施工は同じにしないほうが良い。同じだと、相互のミスを見過ごす恐れがある。アメリカでは別会社にするのが当たり前。
 「リノベ済み」はやめたほうがいい。問題を隠されている可能性がある。リノベーションは自分で手配した方が安上がり。
 マンションでも立地が悪い物件は価値が下落し、売却できないものが出現している。
 不動産投資の王道は、不動産を丸ごと所有(1棟買い)すること。
 マンション最上階は避け、災害時を考えて3,4階がベスト。
 今売れるマンションのキーワードは「駅前」。せいぜい徒歩2,3分以内。郊外の戸建てを売却し移り住むシニアが増えた。
 西日本の多くの府県ではすでに高齢化はピークを迎えつつあり、これからは高齢者施設が余ってくる。
 自宅に費やすお金は、自身の生活のためのコストと割り切ることがいい。
 マンションは経年劣化する。中長期投資としては土地にウエイトを置く戸建て。
 不動産投資のための自己資金は60%くらい必要。
 現金で1億円あるのならば、不動産に替えたほうが相続税は安くなる。
 不動産免許の「〇〇知事免許」のあとのカッコ内の数字が業歴(免許更新回数)を表す。5年ごとに更新。
 不動産の現物がプロ向けとするならば、REITに代表される不動産証券化商品はアマチュア向け商品、格好の「入門編」。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

奨学金が日本を滅ぼす [読書メモ2017]

『奨学金が日本を滅ぼす』 大内裕和 2017/02

奨学金が日本を滅ぼす (朝日新書)
著者は中京大学国際教養学部教授。 学生世代の貧困問題を扱った本。

 大学生の奨学金利用者の割合は、1996年の21.2%から2012年には52.5%に上昇した。
 月に8万~12万円の奨学金を受けている学生が大勢いる。なかには月に17万円以上借りている学生もいる。
 大学生の奨学金利用の大部分は文科省所管の「独立行政法人・日本学生支援機構」(元育英会)の奨学金。すべて貸与型で、無利子(第一種)と有利子(第二種)がある。
 2016年の国立大学の授業料標準額は53万5800円と、1969年の45倍。 1960~70年代の安かった頃(年10万円以内)とはまったく異なったものとなっていることを、とくに高齢の皆さんには認識していただきたい。
 奨学金利用率の急激な上昇は90年代半ば以降。注目すべきは、学費負担を支えている親の所得減少。
 大学院への進学率は2010年の15.9%をピークに減少、2015年には12.2%。
 現在の「日本学生支援機構」が行っている奨学金の回収は、育英会の時とは全く違い、とても厳しい。滞納1~3ヶ月で本人や保証人に電話による督促や通知がなされる。 返還の猶予制度があることを6割が知らない。
 奨学金の借り入れは、多い人で600万円以上。 返済が結婚や出産、子育てに影響を与えている。
 2013年の奨学金問題対策全国会議結成以降、大きな制度改善が行われた。延滞金の利率は年10%から5%に軽減され、返済猶予期限は5年から10年に延長された。
 奨学金問題について、高校教員や大学職員の認識が十分でない。その理由は、長い間教員は奨学金返済の「免除職」だったから。現在は免除職ではなくなった。
 2016年12月、政府は「給付型奨学金」の導入を決定した。2018年度(一部17年度)からの開始。しかし1学年2万人という数字は、奨学金の貸与者132万に対してごく少数。
 貸与型奨学金の改善で優先されるべきは、延滞金の廃止と返済猶予期限の撤廃。
 日本の大学進学率は51%で、OECD諸国の中でも低い方。韓国71%、アメリカ70%、豪94%。
 給付型奨学金制度と大学授業料値下げの財源で求めるべきは、富裕層と大企業への課税。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ: