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インターネットは自由を奪う [読書メモ2017]

『インターネットは自由を奪う』 アンドリュー・キーン 2017/08

インターネットは自由を奪う――〈無料〉という落とし穴

著者は起業家、作家。 インターネットの負の側面、雇用喪失、格差拡大、監視経済を警告する本。

 トム・バーナーズ=リーによるウェブの発明から四半世紀たっている現在、徐々に明らかになりつつあるのが、インターネット経済は、トップダウン型のシステムであって、冨を拡散させるのではなく集中させるということ。インターネットは、更なる雇用や繁栄を生み出すどころか、現代の情報経済の広範囲を独占しているアマゾン、グーグルなどの勝者総取り企業によって支配されている。
 新しい情報経済が新しい格差の創出に中心的な役割を担っている。
 雇用を生み出すどころか潰しているアマゾンは、2012年にはアメリカ経済において正味2万7000人分の雇用を破壊している。
 21世紀のインターネットは、グーグルのような支援者または仲介者として機能する製品やサービスに支配されている。
 20世紀の産業化時代は、様々な意味で理想からは程遠かった一方、雇用機会もビジネスチャンスも十分にある中間層が存在していた。 ところがこの世界は、いまや消滅しつつある。今日の情報経済はエリートとその他の人びとのあいだの拡大し続ける格差によって特徴づけられる。
 ツイッターやフェイスブックなどのSNSからグーグルまで、「ビッグデータ」経済を動かしているのは個人情報の搾取である。
 今日の、数十億ドルにのぼる価値のあるインターネット企業の多くは、海賊行為の横行に加担している。
 オンラインコンテンツが豊富になればなるほど、大当たりをとるごく少数のヒット作品と、その他の作品との明暗差が鮮明になっていく。 2013年、音楽アーティストの上位1%は音楽販売による収入全体の77%を稼いだ。
 デジタル革命によって深刻な害を被っているのが多様性である。上位1%への集中はあらゆる文化部門でもっとも目につく経済的特徴になっている。
 現時点でデジタル革命が我々にもたらしているのは、民主化でも多様化でもなく、雇用の喪失、コンテンツの過剰、海賊行為の横行、独占的なIT企業の出現、経済エリート・文化エリートの少数化なのだ。
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11月第2週に読んだ本(まとめ) [既読一覧]

『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』 ジェームズ・R・チャイルズ 2017/08
『「自分らしさ」はいらない』 松浦弥太郎 2017/01
『毒出しうがい』 照山裕子 2017/05
『知らないと恥をかく世界の大問題6』 池上彰 2015/05
『拡大自殺』 片田珠美 2017/08

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最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか [読書メモ2017]

『最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか』 ジェームズ・R・チャイルズ 2017/08

文庫 最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか (草思社文庫)

著者は米国の技術評論家。 重大な技術事故がどのように発生したのかを解説する本。

 マシンのサイズとパワーは桁はずれに大きくなったが、災害の引き金を引くにはそれほど大きな力は必要としない。2000年7月に発生したコンコルド機墜落事故のきっかけとなったのは、数分前、DC-10型機から落下した1枚のチタニウム片だった。
 人類は、遺伝的には何千年前と変わっていないのに、われわれの科学技術の世界は毎日疾走をつづけている。しかも、そのスピードはますます加速しつつある。
 障害が起きるのは、ひとつの欠点が他の欠点につながりはじめたときである。
 (スリーマイル島原発事故で)圧力逃し弁を示すランプは消えた。これは、圧力逃し弁が閉まったという意味だと運転員たちは考えた。だが、ランプの消滅が真に意味していたのは、逃し弁を閉じるコマンドが送られた、ということだった。圧力逃し弁が実際には開固着していることは、どこにも表示されていなかった。 そうこうするうちに加圧器は毎分830Lの水を蒸気の形で逃し続けていった。
 1996年10月2日、ボーイング757型機は左の「静圧孔」の上に(整備で使った)テープを貼ったまま出発した。なぜ深刻かといえば、飛行に欠かせない計器類、ことに速度計と高度計に必要な空気の供給を、たった数センチのテープがさまたげたからだ。乗務員たちは、計器の示す虚偽の情報をもとに懸命に努力した。 機体は30分後に太平洋へ墜落し、死者68名を出した。墜落時、高度計は2900mをさしていた。
 潜在的危険が内在するシステムを許してしまう強力な理由はただ一つ。それは、スケジュールというプレッシャーである。
 ほとんどの人間は、統計にもとづくのではなく、自分が実際に経験したことによって、自分の確率を決めている。これを心理学者は「ヒューリスティクス」の適応と呼んでいる。
 プロジェクト自体がより大型化し、より緊急性が高くなればなるほど、だれでも自分の視野のすぐ外側にある問題点を見逃してしまう可能性が高くなる。
 20世紀最悪の産業災害のいくつかは(集中力が低下する)早朝に発生している。ボパールの有毒ガス惨事、スリーマイル島2号炉、チェルノブイリ4号炉などは、その例だ。
 タイタニック号の電信オペレータのジョン・フィリップスは、他船から送られてきた氷山警報をメモしたが、(多忙のため)その紙を机の上のペーパーウェイトの下につっこんでしまった。
 システム障害の長い歴史を見ると、ほとんどの問題は、本格的な緊急事態になるまえに手がかりがあらわれている。 前兆のない事故は、基本的に皆無だ。
 メンテナンスはシステムにおけるもっとも脆弱な部分であり、災害を招く入口である。
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「自分らしさ」はいらない [読書メモ2017]

『「自分らしさ」はいらない』 松浦弥太郎 2017/01

「自分らしさ」はいらない くらしと仕事、成功のレッスン

著者は「暮らしの手帖」編集長などを経てエッセイスト。 頭より心をつかいなさい、という本。

 「個性を大切にして、自分らしくありたい」という思いは必要以上に人を力ませる。 「どうすれば自分らしいのか?」などという意識を捨て、夢中でやる。没頭し、楽しむ。そのはてにある実りこそ、自分らしさではないだろうか。
 自分らしさを捨てて自由になれば、あらゆる可能性が広がる。一生、新たなチャレンジを続けられる。
 これからの未来を考えると、情報や知識はすぐに手に入り、共有できるようになっていく。簡単に手に入らないものを自分で持たない限り、抜きん出た存在にはなれないし、自分の力で世の中を泳ぎ切れない。
 頭で考える競争から「一歩抜けた」をしてスイッチを切り替え、心で考え始める。すると、簡単に手に入らないオンリーワンのアイデアや働き方ができるようになる。
 成功した人は、自分の中の「心で考えるスイッチ」をオンにした人。
 成功する人に共通しているのは、頭の良さよりも、心のクオリティ。
 人は「心をつかったもの」に時間とお金をつかう。
 すべてのマーケティング情報は、過去のデータ。 「こういう過去のデータがあって、じゃあこれからはこの人はどう変化していくのか?」という未来を読む。これこそ本当の意味でのマーケティング。
 心がつぶやく根拠のない「あれ?」が聞こえてきたら、どんなに順調でも立ち止まったほうが安全。
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毒出しうがい [読書メモ2017]

『毒出しうがい』 照山裕子 2017/05

歯科医が考案 毒出しうがい

著者は歯学博士。 下手な歯みがきを続けるくらいなら、毒出しうがいをした方が口の中はきれいになる、という本。

 20歳以上の日本人の8割が歯周病。 歯周病になると脳梗塞や心筋梗塞になる確率が3倍。 歯周病になると、約2倍糖尿病にかかりやすくなる。 動物実験によると、歯周病はアルツハイマー型認知症を悪化させる。 口の中のばい菌は、からだのあちこちに悪さをする。
 食べたり飲んだりしてから8時間を経過すると、集まってきたばい菌が、かたまりをつくりはじめる。24時間経過するとプラーク(歯垢)となる。 プラークが残ると、2-3日で歯石になる。歯石になると歯みがきでは取り除けない。
 「毒出しうがい」の手順:30mlくらいの水を口に含み、口を閉じたまま、上の歯に向けてクチュクチュと、強く速くぶつける。10回やったら水を吐き出す。 同じことを下の歯、右の歯、左の歯にも行う。 水の量は多すぎても少なすぎてもダメ。
 毒出しうがいのタイミングは、毎食後。 夜の歯みがきが寝る前の人は、夕食後に毒出しうがいを行うようにする。
 1日3回歯をみがくのは、世界的に見ても日本と韓国くらい。 歯みがき好きなのに、歯みがき下手。
 歯周病になると、慢性腎臓病になるリスクが4倍。 歯周病を持つ関節痛患者は、関節リウマチと診断されるリスクが2.7倍高くなる。
 毒出しうがい+夜デンタルフロスでばい菌と食べかすを完全排除できる。
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知らないと恥をかく世界の大問題6 [読書メモ2017]

『知らないと恥をかく世界の大問題6』 池上彰 2015/05

知らないと恥をかく世界の大問題 (6) 21世紀の曲がり角。世界はどこへ向かうのか? (角川新書)

著者はジャーナリスト。 世界で問題になっている事について解説する本。

 原油価格の下落は、FRBが金融緩和をやめる方針を打ち出したことも影響している。 (もともとは)FRBが金融緩和をしたことで、大量の資金が原油先物市場に流れ込み、原油価格を押し上げてきた。
 ねじれ議会が生み出した「決められない政治」が、オバマ政権に大きな影響を落とした(政策を妨害した)。
 マンハッタン島に(最初に)植民したのはオランダ人。先住民はわずかな宝石と引き換えにマンハッタン島を売却。相手を騙したような取引だとされたが、実は、このときの宝石を現金に換えて預金していたら、現在のマンハッタン島全体の価値とほぼ等しくなった、という計算をした経済学者もいる。
 (アメリカ合衆国は)それぞれのステイトには、大統領(ガバナー)がいる。これを日本では知事と訳している。 現在、アメリカでは50の州がすべて軍隊を持っている。 もともとそれぞれの州が「自分たちは国家である」と思っているので、連邦政府を信用していないどころか、勝手なことをしたら連邦政府と戦おう、とそれぞれの州は絶対に軍備を手放そうとしない。
 南北戦争で北軍が勝ち、解放された奴隷がアフリカに帰ってつくった国が、自由の国という意味の「リベリア」。なのでリベリアにはアメリカに親戚のいる人も多い。このあたりで伝染病がはやると、アメリカにも広がりやすい。
 世界がすべて社会主義になれば、国家という概念もなくなり、国境もなくなる。これが究極の理想社会=共産主義。ですから「社会主義国家」というのはあっても、「共産主義国家」というのは本来おかしい。あえて言うなら「共産主義を目指している社会主義国」。
 いまの時代、報道されない戦争は「存在しない戦争」になってしまう。かつてスーダン内戦は、世界の注目を浴びなかったために、停戦の調停役を買って出る国や組織もなく、内戦は延々続き、多数の犠牲者を出した。
 赤サンゴ密漁船はなぜこの時期、大量に来たのか。言われていたのは、「尖閣諸島問題に手いっぱいになっているから、こんなことが起きるんだよ」と中国側が警告をしてきたということ。
 習近平氏が国家主席を続けるうちに、中国の経済力が世界一に浮上する可能性もある。
 日本の選挙制度の問題は、衆議院と参議院の選挙制度が非常に似通ってしまったことにある。
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拡大自殺 [読書メモ2017]

『拡大自殺』 片田珠美 2017/08

拡大自殺 大量殺人・自爆テロ・無理心中 (角川選書)

著者は精神科医。 周囲の人間を巻き込んだ「拡大自殺」の実態を解説する本。

 絶望感から自殺願望と復讐願望を抱き、誰かを道連れに無理心中を図ることを精神医学では「拡大自殺」と呼ぶ。現在世界中で頻発している自爆テロも、「拡大自殺」とみなすべきだろう。 親子心中や介護心中にも通じる。
 大量殺人を引き起こす6つの要因:①長期間にわたる欲求不満 ②他責的傾向 ③破滅的な喪失 ④外部のきっかけ(模倣元となる事件など) ⑤社会的、心理的な孤立 ⑥武器の入手。
 相模原市の障害者施設での大量殺人は、人生をリセットしたいという願望の表れであり、一種の自殺だったという見方もできる。 多くの無差別大量殺人は、赤の他人を道連れにした「拡大自殺」としてとらえられる。
 最近目立つのは、赤の他人を道連れにして高齢者が拡大自殺を図る事件である。2015年6月、走行中の新幹線の先頭車両で70代の男がガソリンをかぶって焼身自殺を遂げ、逃げ遅れた女性1人が死亡した。典型的な拡大自殺。
 2008年3月に土浦市で発生した無差別殺傷事件も典型的な拡大自殺。犯行動機は「複数の人を殺せば死刑になると思った。誰でもよかった」だった。
 ジハーディスト(テロ実行犯)の背景には、失望もしくは絶望が潜んでいて、それが拡大自殺への傾斜を深める一因になっている。 テロ組織のメンター(思想的指導者)は、自殺志望者を常に探している。
 イスラム過激派に入るのは主に移民2世もしくは新たな改宗者であり、移民1世や3世はまれである。
 自爆テロの実行犯は、しばしば絶望感を共有しており、それに由来する破滅願望もしくは自殺願望に突き動かされて、テロ決行に至ることが少なくない。それが殉教として称賛される風潮があると、同様の悲劇が繰り返されやすい。
 テロリスト犯などが警官の発砲を故意に誘発したとみなされる場合、アメリカでは「警官による自殺」と呼ばれる。 1998年から2006年までの間にアメリカとカナダで発生した警官による発砲事件のうち、36%が「警官による自殺」だった。 なお、「警官による自殺」の事例の62%に精神疾患の既往があった。
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11月第1週に読んだ本(まとめ) [既読一覧]

『大学大倒産時代』 木村誠 2017/08
『危ない格言』 榎並重行 2005/01
『よくわかるギャンブル障害』 蒲生裕司 2017/09
『誰も教えてくれない計画するスキル』 芝本秀徳 2017/02
『仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?』 飯野謙次 2017/02

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大学大倒産時代 [読書メモ2017]

『大学大倒産時代』 木村誠 2017/08

大学大倒産時代 都会で消える大学、地方で伸びる大学 (朝日新書)

著者は教育ジャーナリスト。 少子化で大学運営が困難になる中、各大学の対応を紹介する本。

 2018年から18歳人口の減少が本格的に始まる。
 都市では有名私立大学が受験生集めに奔走し、大学寡占化が進む。一方、地方では18歳がさらにいなくなる。小規模私立大学が次々と倒産する悪夢が刻々と近づいている。
 18歳人口は2023年に110万人、2031年には99万人になると予想されている。
 現状でも、年々財政が厳しくなっている大学は非常に多い。私立大の15%ほどが事業収支差額比率でマイナス20%の大幅赤字である。
 全国の大学生256万人のうち首都圏は105万人で40.8%。 2040年度には、東京以外の全大学の40%が定員割れとの予測。
 東京や大阪など大都市でも、有名私大の拡大路線に巻き込まれ、志願者を減らす中堅私立大学が急増するだろう。
 全国に私立大学は約600校。首都圏と関西都市部の23校の志願者だけで41%を占める。 一方45%の私立大学が入学定員割れ。
 私立大学から公立大学に、設置者を私学法人から地方自治体に替える公立化がすすんでいる。公立大学は自治体を通じて地方交付税の直接的な財政支援を受けられる。
 大きな市場利益を生まない学校法人は、いったんなくなると、よほどのエネルギーがないと復活させることができない。 「定員割れの地方の私立大学は、淘汰されても仕方がない」という意見も多いが、地域の大学を殺すことは、地方消滅を加速することになる。
 2016年度から、文科省が全国に86ある国立大学にミッションの再定義を求め、特色ある大学づくりを促している。その3つの枠組みは、①世界最高水準の教育研究 ②特定の分野での世界的な教育研究 ③地域活性化の中核。
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危ない格言 [読書メモ2017]

『危ない格言』 榎並重行 2005/01

危ない格言 (新書y)

著者は文筆家。 ちょっと毒のある格言をまとめた本。

 ペテンがバレ、たぶらかされたことがわかった後にもなお、騙(かた)りの張本人を支持し続ける人々がいる。彼らは彼ら自身が欺かれたということを認めることができないほど気位が高く、その変更を受け入れられないのだ。
 有能な人間が、役に立つとは限らない。役に立つ人間は、特に有能である必要はない。有能な人間が役に立つのは、往々にして、その不能な部分によってだ。
 君が行い得る最善の行動を言ってみたまえ。そうしたら、君がなし得る最悪の行動を予測することにしよう。
 人々が誤りから学ぶのは、誤りを繰り返さないことではなく、同じ過ちを前とは少しばかり違ったやり方でまた行うことらしい。
 汚れてしまったからといって捨ててしまうわけにはいかない。できるだけきれいに洗ってまた使うことを覚えねばならない・・・君の人生、君の存在、君自身について。
 自分の欠点を埋めるより、うまく使う工夫をするほうが無理がない。
 最も贅沢で、最も洗練された社交・・・できる限り一人で過ごすこと。
 巧みな皮肉の弱点は、それが向けられた相手が、その皮肉を感取し、理解するだけの感受性や知性を持っていることが、滅多にないというところにある。
 賢人を見分ける目安・・・賢人は自分を賢人とは呼ばないし、他人からそう呼ばれるようなみっともない事態には立ち入らない。
 愛によってなし得ることは、すべて他の感情をもってしてもなし得る。
 恋愛の感情を、結婚という本来そのためにあるのではない制度に封じ込めるのは、所詮無理だ。
 人生の長さは、すべての人々に各々ちょうどよい。
 人間は、依然として、認識し理解するより、はるかに信じることが得意だ。
 政治が堕落するのではない。ありとあらゆる堕落が政治を生み、存続させてきたのだから。
 どんな壁をもってしても馬鹿の浸透を防ぐことはできなかった・・・バカに壁なし。
 世の中に山ほど教訓があるということは、何の慰めにもならない。
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