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ダーティ・シークレット [読書メモ2018]

『ダーティ・シークレット』 リチャード・マーフィー 2017/10

ダーティ・シークレット――タックス・ヘイブンが経済を破壊する

著者はイギリスの公認会計士。 タックスヘイブンの最大の問題は秘密主義である、として非難する本。

 タックスヘイブンは故意に状況を不透明にし、冨の所有権を集中させることによって、公正な競争と成長を妨げる。世界経済が停滞しているのは偶然ではない。
 タックスヘイブンの活動を止めることは、国家と市場が全体の利益のために機能するシステムを実現させるのに欠かせない一歩だ。
 多くの政治家がオフショアを利用した金融とはいかなるものかをぼんやりとしか理解していないため、それが世界中で引き起こしている問題のせいぜい一部にしか、目下のところ解決策を示していない。
 問題の核心は秘密主義にあるということだ。
 2009年になってようやく、タックス・ジャスティス・ネットワークが初の金融秘密度指数を発表したおかげで、一般にタックスヘイブンと呼ばれる地域を特定するには秘密主義が大きな焦点となることが明らかになった。
 タックスヘイブンの真の問題は税逃れそのものではない。多くの不正をはびこらせる秘密主義なのだ。タックスヘイブンを守秘法域としたほうが理解しやすいと思われるのは、まさにこの不透明性のゆえである。
 ありとあらゆる努力にもかかわらず、タックスヘイブンの秘密主義の大半がいまだに手つかずのままだ。
 「オフショア」は文字通りには「ここではない」あるいは「どこか別の場所」を意味している。それが意味するのは、ある場所で記録された取引の契約当事者全員が、別の法域に所在しているということだ。
 タックスヘイブンは成長の燃料にはならない。むしろ不平等を拡大し、税負担を資本家から労働者へ移転させ、民主的な選択に歯止めをかける。
 多くの人が答えられないでいるのが、タックスヘイブンと見なすべき場所はどこかという問題だ。 たとえばジャージー島、ガーンジー島、マン島の法人税率は20%だったが、島外で所得を得た企業に対しては実効税率は0%だった。そのため、指標としては、税率はほとんど役に立たないと考えられていた。
 金融秘密度指数によれば、アメリカが3位、イギリスは15位、日本12位。 アメリカは絶えずワーストに近い位置を占めており、多くの人によれば世界で最も深刻な守秘法域だという。アメリカは税務行政において納税者の特定を非常にうまくやっている一方で、国内にある数百万という企業の所有者を特定する努力を完全に怠っている。多くの州は19世紀以来、企業所有者に秘密主義を提供しようと競い合ってきたのだ。
 ケイマン諸島やスイスのような従来型のタックスヘイブンが、依然としてランキング上位を占めるのは間違いないが、こうした地域が最も重要な守秘法域ではなくなりつつあるという注目すべき事態が進んでいるのだ。


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